隠れ家とその周辺点描
七尾・山の寺寺院群
七尾は隠れ家から車で30分で行ける。畠山氏の七尾城跡があるし、5月初めには大きな
山車が狭い街を通り抜ける青柏祭が催される。街中には整備された公園になっている前田
利家が築いた小丸山城跡があり桜がきれいに咲く名所だ。いまはつつじがきれいだ。
七尾の街の西のはずれ小島町の丘陵地に「山の寺寺院群」と呼ばれる遊歩道が整備された
一帯がある。今日はそこを訪ねることにしたのだ。人伝に長齢寺のところから遊歩道が始まる
と聞いたので、まずは長齢寺を目指した。
何故かアパートみたいな建物のそばに入り口があるのだが、その石段を下から覗いただけで
なにかしら期待させるものを感じさせられる,そういった雰囲気なのである。
長齢寺(曹洞宗)は,前田利家が母の長齢院のために建てた寺で、こじんまりと飾り気がなく,
まさに山寺という感じだ。境内から始まる遊歩道が,これまたしっとりと濡れて,太い竹藪があ
ったりしてたまらなくいい。すぐに隣りの徳翁寺に着くのだが、ここまで歩いただけで、この山寺
の道は最初の期待通りのところだと思った。古寺に興味をお持ちの方にはお薦めの処である。
今日ぬかったのは、道しるべが頼りで,全体の略図もお寺がいくつあるのかも知らずに歩き出
したことだ。そのためフィルムの予備を持たなかったので、やたら山門と説明板の写真のみに
なってしまったことだ。でも、途中で見つけた案内板にある16のお寺全部を廻ることができた。
車を能登食祭市場の近くに停めたので、3時間半近くも歩くことになり、さすがに疲れを感じた。
長齢寺ー徳翁寺ー龍門寺ー宝憧寺ー西念寺ー常通寺ー成蓮寺ー本延寺ー
ー実相寺ー印勝寺ー本行寺ー長寿寺ー恵眼寺ー妙圀寺ー長興寺ー妙観院
これらの寺の中には、よく手入れのされた庭を持つなど、人の気配を感じるというか、いろいろと
本などに紹介されて名が知れていると思われるところと、荒れて人の気配の感じられないところ
もある。民宿と大きく書かれていたところもあった。
妙観院は竜宮城を思わせる楼門や梵鐘にまつわる伝説などの他、いろいろと話題が多いみたい
なので訪れる人も沢山いるのであろう。16のお寺の中で唯一トイレの案内矢印があったのだ。
しかし、行ってみたら鍵が掛かっていて開かなかったのである。
山の寺寺院群の始まりは、前田利家が小丸山城を築いたとき櫻川を内堀とし二十九ケ寺を防御
陣地として配置したことにその歴史が始まると云う。
(’00−05−13)