北陸の峠道


唐木峠(旧五箇山街道)

今日は富山県の城端町と平村を結ぶ旧五箇山街道の唐木峠と朴(ほう)峠を歩き
あわよくば高落葉山へ登れればと思って朝6時40分頃隠れ家を出発したのだ。471
号線で小矢部へ,それから城端町へと順調にきたのだが、304号線から左へ入る林
道が通行止めの鎖でふさがれているのではないか。はたと困ってしまった。おおまか
過ぎる観光案内板によれば「縄が池」の方へ行けば近いらしい。

そこで少し戻って同じ方向へ曲がり,そして山へ登って行く赤祖父林道へ入る。
ところが「縄が池」へ行く林道の反対側の入り口もやはり鎖で塞がれていたのである。
考えて見れば当たり前なのだが。
丁度山菜採りの夫婦が鎖の前に車を停めて準備をしていたので「縄が池」まで歩いて
どの位かと聞いたら1〜2時間だろうとのこと、ここまで90kmも走ってきたのだから,
このまま帰る訳けにもゆかず歩くことにする。9時10分前,出発。

この林道は,いま登ってきた林道よりずっと広く全く問題のない道なのである。なん
で通行止めなのか判らない。天気は良いし車も来ないので気楽だし、見晴らしの良い
道路で気持ちよく歩ける。
しばらく行くと、先ほどのご夫婦が何かを採っていた。何でもその場所にしかはえて
いないのだという。名前も判らない。一時間位で雪の沢山ある「縄が池」に到着。水
芭蕉の群生地だった。雪が早く融けた所の株は白い花(額か?)を開いていた。まだ
雪に埋もれているところが多く、相当大きな群生地だ。池は静まりかえっている。な
にしろ私一人しか居ないのだから。


(縄が池の水芭蕉)
そこの観光案内板(これまたおおまか過ぎる)を見ていたら,旧五箇山街道の入り口
は,あと一時間位のところにあるみたいなのだ。ところがずっと下り道だった。すると
戻る時はずっと登りと云うことになる。途中雪解け水で水量の多い夫婦滝があり、林
道も所々溢れた雪解け水に被われていた。つくばね森林公園を過ぎるとまもなく、旧
五箇山街道の登り口があった。


(石畳の五箇山街道)
道は直ぐに登りで確かに石が敷かれていたが、石畳の道という言葉から受けるイメ
ージとは少し違うような気がする。平らな石が置かれているところもあるが、多くの石
はごつごつしたもので、この道が使われなくなって永い年月が経つので荒れてしまっ
たのだろう。雪解けの水のせいでぬかるんでいるところもあり、道が川のようになって
いる所もある。滑りやすいので、表面のざらざらした凝灰岩を配してあるという。

五箇山は加賀藩の流刑地だったため、元禄8年から幕末までの170年間に200人
近い流刑人がここを通って送られていて、加賀騒動の大槻伝蔵もその一人だと云う。


(唐木峠・標高687m)
道に入ったら風が通らなくて暑い。唐木峠までは900m,じっとり汗をかいて11時半
に着いた。お腹がすいたので昼食にする。まずピーナッツ入り柿の種で小さい缶ビー
ルを飲む。美味しい。次ぎにコンビニで仕入れてきた「特選十勝つぶあんぱんー北海
道十勝産小豆使用」というやつを食べる。違いは判らないけど美味しい。なんで特選
が付くのか判らないが、次ぎも「特選いちごジャムパンー果肉たっぷりの苺ジャム使
用」を食する。

今日は予定が狂ったので、残念ながら人喰い谷から朴峠へ行くのを断念した。夕方
我が隠れ家にお客さんが来るので遅く帰る訳にはゆかないのだ。少し先へ行ってみた
ら日陰は雪が残っており、高落葉山へ登る道は雪だらけだった。石畳の道は唐木峠ま
でだった。

今日は最初の通行止めの所から歩けば唐木峠、人喰谷、朴峠と行けたと思うが、替わ
りに「縄が池」には行けなくなる。舗装道路を4時間近く歩くと足の裏にくる。靴が安いせ
いか。午後2時過ぎに車のある林道起点にたどり着いた。通行止めは6月15日までと
あった。


(’00−04−29)



次のページへ    北陸の峠道の目次へ     前のページへ