古寺&お地蔵巡り
摩尼寶山 瀧谷寺
越之国観音霊場第五番札所 北陸観音霊場第十一番札所 北陸白寿観音霊場第六番札所
真言宗智山派・瀧谷寺(たきだんじ)は、福井県は三国町にある。この有名なお寺に、福井に住むこと
40年にして初めて訪れた。庭が国の名勝庭園に指定されているというので、訪れてみたくなったのだ。
昼頃に着いた。土曜日だったが、拝観に来る人は疎らで、門をくぐってからは他の人と顔を会わせること
はなかった。参拝のしおりにある寺の略縁起はこちらに。
駐車場の処の受付で300円を払って参拝のしおりと拝観券を貰って梅田雲浜ゆかりの蓮池のところの
総門をくぐると、太い杉木立の間の真っ直ぐな参道が目に入る。しかし、石畳に滑り止めに敷き詰められ
たと思う人工芝の様な敷物の色が鮮やかすぎて、ちょっと雰囲気に合わない気がする。
総門をくぐった処 左は竜頭の水
すぐ右手の竜泉院は門が閉じられていて入れなかった。参道を上り詰めると山門となる。山門は鐘楼を
兼ねた古い建物で、柴田勝家の寄進に寄るものという。 しかし、勝家はこの山門の完成を見ることなく
賤ヶ嶽の戦いに敗れ、北の庄にて悲運の最期をとげた。
鐘楼を兼ねた山門 向こう側から写すとよかlったと思う
山門をくぐると本堂、観音堂、石庭が目に入る。一段高い処に重要文化財の鎮守堂と石龕開山堂があ
る。鎮守堂は室町時代の建築の特徴がよく残されているものという。 石龕開山堂は、坂井郡河口の庄
堀江郷に勢力を持っていた堀江氏の一族の手で、開山上人の石像を守るために石龕を建て奉納したも
ので、内側に十三の仏像が浮き彫りにされている。 鎮守堂は写真がうまく撮れなかった。
石龕開山堂 内側に浮き彫りの仏像がある
これらのお堂の裏手はお墓で、古い墓石がところ狭しと置かれている。墓石に刻まれた字は読めない
が、たまたま石柱に「半井(なからい)」という字が大きく刻まれていて目についた。その時はそれまでの
ことだったが、後でこの寺の宝物の中の「幽霊の片袖」にまつわる不思議な話に関係のあるお墓だと知
った。面白い話というと半井家に失礼だし不謹慎ということになるが、昔は夏の夜に子供達を集めて怖い
話をして面白がったことがあった。テレビの無い時代だったが、そういう時の話の種になりそうな内容だ。
このお墓の辺りは、ブドというのか小さい虫が顔や首、腕にまとわりついて、だいぶ痒い目にあってしま
った。ゆっくり写真も撮っていられないのだ。
鎮守堂への階段 鎮守堂は見えている屋根の更に裏にある 右の墓は観蓮法師の墓
鎮守堂への階段を上がる処の右手に観蓮法師の墓というものがある。これは八百屋お七の恋の相手で
あった吉三のお墓だという。 吉三はお七が火あぶりの刑に処せられた後、お七の菩提を弔うために出家
してお七供養のため地蔵を建て、諸国を遍歴し、ここ瀧谷寺へも立ち寄ったのだという。 彼は生国に戻り
七十歳を過ぎて没したが、同輩の僧がその死を悼み、観蓮法師ゆかりの当寺に遺骨の一部を分けて墓を
建てたという。
上は観音堂 下は観音堂から見た石庭
さて、庫裡と本堂の間に拝観入り口があり靴を脱いであがると受付で拝観券の提示を求められる。そして
だいぶお年のお坊さん?が出て来られて、本堂の仏様の前で簡単な説明をされた。話を聞いて居る間に
耳の後ろに汗が流れているのがわかる。今日は雨の予報だが降らずに蒸し暑いのだ。憶えているのは、
六百年にもわたり火災にあったという記録はないが、長い年月の間、改築を繰り返し、創建当時のままと云
うものは無いということくらいだ。
観音堂の仏様 暗くてよく判らない 本尊は如意輪観世音菩薩 秘仏で普段は見ることは出来ない
それから、どうぞ観音堂から庭をお回り下さいと云われて、本堂の仏様はきちんと見なかった。薬師如来と
いうことだ。本堂も観音堂もそうだが、真ん中の仏様は遠い。それで双眼鏡が必要だ。それに説明はほとん
ど「しおり」等に書いてあるとは云っても、ICレコーダーなどに録音しておくとよいと思った。実は車には積ん
であるのだが、夏の服装はポケットが無くて置いてきてしまったのだ。写真は撮っていいのか聞くのを忘れた
が、観音堂はフラッシュをたかずに写させて貰った。
名勝指定の瀧谷寺庭園
名勝庭園は、季節にもよるのだろうが、築庭の形式などに詳しくないと、いまいちその良さがよく判らない気が
した。奥行きが狭い感じで、私のカメラでは狭い範囲しか写せないみたいなのだ。先程の靴をぬいで上がった
ところの受付には、北陸三十三カ所観音霊場案内を五百円で売っていた。本屋には無くて購入するんだったと
出てから後悔した。千円で「古刹・瀧谷寺」という本を購入したが「幽霊の片袖」の話や「八百屋お七と吉三郎」
の話は、この本による。
龍泉庭
宝物殿は、女性が退屈そうに1人で見張り役を務めていて、聞いたら写真は駄目だとのことだった。何処かに
書いておかないと写真を撮る人がいるような気がする。国宝が一つ、それに重要文化財の菩薩像や天之図等
を見たが、汗が首の後ろを流れてゆっくりと見ている雰囲気でもなかった。あと竜泉庭を通って車へ戻った。
三国には有名なお蕎麦屋があるのだが、場所を調べて来なかったので、またの機会にして家路についた。
('05年7月2日)
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本堂 樹木で隠れてうまく撮れません