隠れ家とその周辺点描


石動山


石動山は能登は鹿島町と氷見市との境にある。七尾街道の鹿島町二宮から石動山の看板の
在るところから6kmほど山を登る。芹川から荒山峠の手前で枡形山の方へ曲がっても行ける。

山全体が石動寺の遺跡で覆われている感じで、国の史跡となっている。至る所に堂塔伽藍・寺
坊の礎石があり、ここが信仰の山であり修験の拠点であったことが伺われる。午後遅く行ったの
とゴム草履だったし、おまけに昼飯を満足に食べてなかったこともあって、回りきれずに、今回は
途中で引き上げることにした。町おこし事業により、良く整備された遊歩道や案内板、トイレなど
がうれしい。

伊須流岐比古神社登り口と水汲み場                           神社拝殿      

伊須流岐比古神社への登り口の横には水が流れ出ていて、車で乗り付けてポリタンクにその水
を入れている人がいた。その横では大きな建物の復元工事が行われていて、太い柱が組み建て
られている。入ってはみなかったが、向かい合った所には石動山資料館もある。

最盛期には多数の堂塔伽藍、360坊3000人の衆徒を擁した石動山も、南北朝初期と戦国時代
末期の2度にわたって合戦により焼き払われた。そして明治維新の神仏分離令により、とどめを刺
され58坊あった寺坊は去り、わずかに旧観坊だけが昔の面影を残すのみとなったのである。

ブナ林の遊歩道には木のチップが敷かれていて歩き易い。このブナ林は能登半島では限られた
所にしか無く貴重なものだという。雨は降らなかったが曇りがちで、風が強く、だれも居ない頂上
付近では、ブナの木々が怖いくらい激しくざわめいていた。

(’00・07・22)



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