隠れ家とその周辺点描
岬自然歩道
8月13日(日),この時期能登半島は県外車で溢れかえる。快晴の中隠れ家から100km近く
走って,能登半島突端の禄剛埼灯台手前7kmくらい,木ノ浦のさらに手前に「徳保」というバス
停があり,トイレ、駐車場があって展望台の様になっている。千本椿と言う所か。そこに岬自然
歩道の案内板があり、その横から遊歩道に入る。ここから灯台まで8kmとある。
今日はかみさんと二人連れである。
周辺点描にしては遠すぎるきらいはあるが、能登半島の中はすべて我が隠れ家の周辺なのだ。
左にコバルトブルーの日本海を見ながらの歩きやすい道だ。椿の群生地では椿のトンネルをく
ぐる。今は沢山実がなっている。やがて木の浦湾に降りると海水浴場。人はそれ程でもなく、そ
の中を場違いな格好で通り抜ける。国民宿舎の下の浸食で壊れた遊歩道を通り抜けた。(危険
通行止の看板あり)
そこから登ってシャク崎へ。所々に俳句が記された柱が立っている。急な坂を下って折戸海岸へ。
海岸沿いに県道を歩いて川浦海岸。そこにトイレと小さい駐車場を備えた園地があり、休憩昼飯
とする。ここまで1時間半ばかりかかった。
木ノ浦湾
家から持ってきた冷たいビール、それに輪島の満員のコンビニで買ってきた「青森県十和田産の
上質とろろ芋100%使用とろろそば」を食べる。これがなかなかの味なのである。さらに感心した
のは、とろろ芋、スープ、のり、わさびがそれぞれ小さな袋に詰められ、ねぎとかつお大根が添え
られていたことだ。石臼挽きそば粉使用とあるが、ここまでやるのだろうか?
川浦海岸には、珠洲市営の野営場がある。いくつかのテントがあったが、人影は少なくのんびり
としている。今日は波が荒く泳ぐのは難しいみたいだ。その中を抜けてまた登り、すごい断崖の
上を歩く。こんな所にも畑があり、枝豆や茄子がなっている。お墓参りだろうか、親子4人連れと
すれ違う。お父さんは幼子を抱っこして、お母さんは蔓で作った輪で、子供の頃よくした汽車ポッ
ポのようにして小さい男の子を引っぱっていた。みんな暑さでじょうきした汗の吹き出た顔で、でも
ほのぼのとした雰囲気で微笑ましく、やさしそうなお母さんだった。
禄剛埼灯台
川浦園地から50分くらいで終点の禄剛埼灯台、いわゆる狼煙の灯台に着く。眩しいほどに白く
塗られている。40mの崖下を見ると特徴のある平らな岩場で、足ヒレを付けた少年が,気持ち良
さそうに岩の間で泳ぎながら何かを探しているようだった。
狼煙のバス停へ降りてバスの時刻を調べたら、休日には午前と午後に1本づつしかないみたいな
のだ。ここで2時間半も待つのも大変なので、8kmの道を折り返すことにして、水分を補給して午
後2時15分狼煙を後にした。日射しは最高潮という感じなのである。
途中先方にヘリコプターが旋回しているのが見えたが、そこは折戸海岸だった。21才の青年が
行方不明になったとかで、漁船も何隻も出ていて、海岸道路には救急車が待機していたし、多く
の人達が海の方を見つめていた。夜のニュースで伝えていたから見つからなかったのだろう。
木の浦では国民宿舎の上の遊歩道を通り、木の浦キャンプ場の中を通ったが,広いキャンプ場で
沢山の家族連れで賑わっていたし、続々と到着していると云う感じだった。この暑さの中ではキャ
ンプも大変だ。
ちょうど午後5時、出発地点へ到着。汗みどろのシャツを着替え、ぞうりに履き替えて,16kmを歩
き終えたことを実感したのだった。
要所要所には道しるべがあり、よく手入れされた広く歩きやすい道で、キツネノカミソリと云う花だ
ろうか、群生するように咲いていた。椿が咲く頃はいいかもしれない。
(’00・08・13)