隠れ家とその周辺点描

長龍寺

前にも一度行って奥さんにお茶などご馳走になったのであるが、ツツジの頃が
綺麗だということで再び行ってみた。この庭で私は生まれて初めて「かりん」の
実なるものを見た。堅い実だった。

我が隠れ家から車で10分くらいしかかからない。真宗大谷派とある。 しかし、
ここは少し山あいのせいかツツジの咲くのが遅く、まだ見頃ではなかった。その
代わり住職が出てきていろいろと話しを聞くことが出来た。



この庭を造ったのは、能登の駒造と云われているが、「えんしゅう」(小堀遠州
か?)が兼六園を造った時、その下で働いていた人ではないかとのことだった。
また、長野のある方が、この庭園の完全な図面を保管されているのだそうで、
それによると、当初は現在の3倍ほどの広さがあったらしい。最近も大きな木が
急に枯れたりして、庭園の様相も変わってきているという。
その図面をくれと言ったら断られてしまったとか。当然かもしれないが面白い。

手入れもなかなか出来ず、志賀町が文化財に指定したといっても援助はなく、
町はかっこいいことを言っているが 実際は何もしてくれないと手厳しい。 寺の
建物の痛みもあるし、なかなか寺を維持管理していくのも大変らしい。
あんまり使いもしない道路をよく造っているが、そんな所に使う金があるなら、少
しこちらにまわして欲しいと言っていた。



志賀第2原電ができるため、そばを大きな道路を通すと云うので、みんなで困
ると反対していたのだが、田圃をちょっと削るだけで300万500万入るとなっ
たら、一晩でころりと変わってしまったと笑っていた。とても 面白い坊さんだ。
その他、金沢の寺町等の寺の広さについての歴史的な考察みたいなものも
聞けて楽しかった。

一度うまい酒でも 酌み交わしたいものである。


次のページへ   隠れ家とその周辺点描のもくじへ   前のページへ