隠れ家とその周辺点描
平家(たいらけ)
隠れ家から歩くとだいぶあるが、阿部屋の海岸の集落の中にある。名前から判
るように、源平の時代のあの平家にゆかりのある大庄屋の屋敷である。石川県
の指定文化財となっており、江戸中期に造られたと云われる室町時代の様式を
伝える前庭がある。後庭は大正中期に京都修学院離宮の庭師、広瀬万次郎が
古い庭を改築した ものと云われる。
体育の日の連休におもむいたのであるが、見に来る人は誰もいないようで静ま
りかえっていた。若い男の人が 庭に面した障子を開けてくれたり、説明のテープ
のスイッチを入れたりして、自らも簡単な説明もしてくれたが、鴨居に掲げられた
書の意味を聞いたら判らないとのことだった。
苔が綺麗で、ゆっくりとお茶でも飲んで眺めていたいのであるが、どうも今日は
その様な雰囲気ではなさそうなのだ。それも判らないではない。なにせ私一人だ
から付き合う方もめんどくさいだろうし、早く帰ってくれればいいと思っても不思議
ではない。勝手にそう考えて写真を撮りまくって引き上げたのだった。
ここの観覧料は500円である。少し高いように思う。高校生300円、中小学生
250円なのである。一枚ペラの説明書をくれたが、白黒の印刷で、内容も親切
ではないし腑に落ちない箇所もある。作られたのが古いみたいだ。
庭に降りられないのも判らなくはないが、それなら書院の間の庭に面した障子
をはずしておいてくれればと思う。 庭の奥行きが短いので写真が撮りにくいのだ
。説明書の写真は庭に面した障子はすべて取り払われている。観覧者が多い時
にははずしておくのだろうけど。
ここに入りにくい理由のひとつは、観覧料が中に入ってみないと判らないことだ
ろう。入ってから貰う説明書に観覧料が大きく書いてあるのもおかしい。観覧料
は門の所に掲示しておくべきだろう。
日本庭園に関心のある人には、興味のある場所だとは思うのだが。