隠れ家とその周辺点描
総持寺と手仕事屋
5月の連休の時だった。焼き鳥「太鼓」のマスターが、総持寺の近くにある噂の
蕎麦屋へ連れてってやるというので、マスター夫妻を載せて総持寺に向かった。
我が隠れ家からは案外と遠い。12時10分前頃着いたので、すぐに蕎麦屋を
探す。探すほどのことはなく、すぐに「手仕事屋」という古い構えの店を見つけた。
連休だけあって狭い店は大入り満員だった。
(手仕事屋の前でマスターと私)
ここは、蕎麦と豆腐だけのメニューで、蕎麦は「かけ」に「もり」に「おろし」だけ。
もり蕎麦を注文する。別に豆腐も 注文する。割と美味しい豆腐で、豆乳仕立て
のものもあった。もり蕎麦は、くろくて細く腰の強い麺で、たれは濃い。
なかなか
の味だと思う。マスターの友人が焼き鳥「太鼓」でこの蕎麦を出したらと勧めたそ
うだが、確かに飲んで最後の締めにこんな蕎麦があればいいと思う。しかしマス
ターは、締めは熱いラーメンがよいのだそうだ。
総持寺は何回も来ていて、別に見るところはないので、写真はマスター夫妻を
門前で撮っただけだ。穏やかな日で、若い坊さんが何人もでて駐車場で車を誘
導していた。
寺の境内で、マスターは「ふき」を、うちのかみさんは「三つ葉」を見つけて沢山
摘んでいた。自然の三つ葉は香りが強いのだそうだ。あんまり沢山あったので,
寺の坊さんが栽培しているのではないか、坊さんの晩のおかづが足りなくなって
しまう、などの冗談が出るほどだった。
曹洞宗大本山総持寺祖院は、今から約700年前瑩山禅師により開かれ、一時
は全国にその末寺一万六千余り を数えるに至ったが、明治31年に火災にあい
これを機に布教伝導の中心を神奈川県の横浜へ移したとあります。
しかし、何
百年も昔からそこに在るような、そんな雰囲気が感じられます。
古いお寺の門前には、古い蕎麦屋がよく似合う。