隠れ家とその周辺点描


妙成寺


妙成寺(みょうじょうじ)は、隠れ家から車で羽咋の街に向かって行くと15分位の
所にある。日蓮宗本山とある。この辺りでは珍しい江戸時代初期の代表的傑作
の一つとされる五重塔がある。二王門、本堂、経堂、鐘楼等十棟が国の重要文
化財に指定されており、桃山時代の様式を伝える貴重なものだと云われる。



それだけに拝観者も多い。拝観料400円と聞いて入らない家族連れもいたが,
5人だと2千円にもなるのだから頷ける。知識や興味が無ければ古い木造の家
でしかないし、他のお寺もみんな同じ様なものだ。

団体客のためのスピーカーからの説明を聞きながら一応写真を撮ったら、私は
もう売店の甘酒かぜんざいでも食べたいような気分である。此処は禅寺と異なり
坊さんの影が見えないし,当然ながら坊さんとお話など出来ないのである。

この夏、福井の上志比村の古刹・吉峰寺へ本堂の裏から始まる大仏寺山への
登り口を見に行った。若い坊さんがとても親切に教えてくれるし、あがってお茶を
飲んで行けと言う。座らせて貰うと、二人の坊さんがワープロに向かっていたので
この寺のパンフレットは無いのかと聞くと、ちょうど今作っているところだとの事。
この坊さんは、宝慶寺に居たときに宝慶寺のパンフレットを作ったのだそうだ。
お坊さんの世界にも転勤があるのだ。


(書院庭園から見た五重塔)
以前、ヒッチハイクの英国の青年2人を乗せたとき、時間はあるかと聞いたら、あ
ると言うので此処妙成寺へ案内したことがある。ここには英文のパンフレットが置
いてあったのでとても喜ばれた。勿論私もおおいに助かったのである。

何故か妙成寺に隣接して軒を連ねてお寺が建ち並んでいる。その一角は全部
お寺と云う感じなのだ。本鏡寺、圓融寺、善住寺、大覚寺、玉なんとか寺(くずし
字で読めない)等々である。どういう訳なんだろうか。不思議である。

妙成寺はちょっと小高くなった森の中にあるので、五重塔の上二段位が森の上
に突き出て見える。遠くから眺めたとき、それがなかなかいい感じなのである。


(1999・11・28)


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