古寺&お地蔵巡り
峠の地蔵 本尊二体地蔵尊
若越八十八ケ所の第四十三番
旧国道27号線、今の県道225号線の関峠の頂部、道路より一段高い処にある。「お地蔵さま・
若越八十八カ所を尋ねて」によれば、二体地蔵とは真ん中と右側の地蔵ではないかという。真ん
中の地蔵は、40cm程の像が浮き彫りにされている。
このお地蔵さまは、咳を治してくれるという。関にあるからこの様な事が言われる様になったので
あろうか。でも、この峠の名は、峠下の越前に設置された「関」からついたという。そうすると関峠
と呼ばれるようになったのは、「関」が設けられたのがだいぶ後世になってからなので、それ以前
は異なる名前がついていたのだろうと云われる。
「〜を尋ねて」によれば、その昔、若狭に大津波が押し寄せてきたとき、この関峠でくい止めることが
できた。村人達はお地蔵さまのおかげだとよろこんだ。昔は今と違って、杉の大木におおわれた、こん
もりとした森だったという。
この峠は小浜や京へ旅する人達の主要な道にあり、多くの人達がここで一服したことだろう。また
幾
多の軍勢が駆け抜け、血なまぐさい合戦の場でもあった。お地蔵はそれらの出来事を見続けて来たが
今は多くの車が轟音とともに走り抜けるだけで、車を停めて一服するような余裕はない様だ。
このお地蔵さまは、集落の守り手によっていつも掃除がされ花が供えられているのだという。
ご詠歌 若狭から老いも越しくる関の山 地蔵の恵みありとこそ知れ
('05年6月9日)
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