還暦つれづれ草
おのろけ豆考
「福井の小さな山歩記」の中で、私がおのろけ豆を食べる場面があることから,
若い方から、おのろけ豆っていったいどんな豆なのか、という質問が時々来る。
私も、子供の時の記憶のみで、その様に思って言っているだけで,おのろけ豆と
いう商品名は,そこら辺りのマーケットではついぞ見掛けない。
それは、ピーナッツを小麦粉で包んで焼いた豆菓子で、ビー球位の物から,もう
少し大きいものもあって、表面は照りがあり細く切った海苔が付いている。唐辛
子の粉もちょっぴり付いていたかもしれない。たまにひび割れがあったりする。
それに似たいろんな商品がいろいろな名前で売られているので、私はひっくるめ
ておのろけ豆と総称しているのである。小さいのは中が大豆だったりするし、押
して潰したような形のものもある。色もとりどりである。
浅草は、浅草寺仲見世通りへ行けば、きっとおのろけ豆という名前で売っている
ような気がする。是非今度上京の折りには立ち寄ってみたい。
写真の物は寒梅粉を使っているとある
ので、おのろけ豆と呼んでいいのかも
正しくはどんな豆なのか?福井に新規に出店した有名な本屋に出向いて調べる
。やっと,片手で持てないような重いヤツで、1万円以上もする岩波書店の広辞
苑に見つけることができた。
「御惚気豆」と書く。「煎ったピーナッツを、塩味の寒梅粉でくるんだ玉菓子」とあ
る。塩味の寒梅粉と云うのがよく判らないのであるが、どうやら私の思っていた物
とは、そこのところが違うみたいだ。私の云うところのおのろけ豆は、塩味という
より甘辛という感じなのである。
「御惚気豆」と呼ばれるようになった由来はなんだろう。「おのろけを言う」のおの
ろ気と関係があるのだろうか。今のところそこら辺りは皆目見当がつかない。
でも、「おのろけ豆」と云う言葉の響きが、子供の頃を想い出させて懐かしい。