福井の小さな山歩記


文殊山(1999・5・6)

二上町の登山口の駐車場は広い。靴を履き替えて9時20分頃歩き始めた。
滑りやすい粘土質の道が続く。木洩れ日がゆらめいてそよ風が心地よい。
日射しを受けた若葉を下から見ると実に綺麗だ。それらの木々の下を歩くのは
心うきうきと弾む思いがする。

歩きながらバナナのことが頭に浮かぶ。家から持ってきた2本はとても大きい。
1本でお腹が一杯になりそうなくらいだ。昨日かみさんが、スーパーの半額安売
りのチラシを見て買いに行ったのだ。バナナは今は安い。子供の頃はバナナを
食べるなんて夢の様なことだったのだ。

小学生の頃、近所に可愛らしい双子の姉妹がいて、その家はとても金持ちだ
った。まだ家庭にテレビが普及してないときに、大きなテレビを2台も持ってい
て、野球や相撲のときには道路から見えるように窓のところへ出してくれた。
黒山の人だかりになったものだ。なんでも、バナナの貿易で儲けたとの噂だっ
た。そのうちに、その家はどこかへ引っ越してしまった。なんでも何か不正をし
て捕まったとかなんとかの噂もあった。あのお姫様みたいだった双子の姉妹は
その後どうしたのだろうか。


(山頂のお御堂)
そんなことを考えながら登っていると、時間の経つのも忘れる。快適な気分で
小文殊、大文殊(頂上365m)に到着。ところが、奥の院までの往復がすぐ近
くなのだがとても疲れた。急な登り降りで滑るのだ。ロープのお世話になった。
その昔、泰澄大師によって開山されたとある。山城でもあったらしい。遺跡の
発掘も行われているみたいだ。

登り始めてから3時間近く、小文殊まで戻り、広場のベンチで昼食をとった。
降りる途中、今までに自然の中で見た蛇としては一番大きな蛇をみた。太くて
長い。1m50以上か?道の真ん中で日向ぼっこをしていたみたいで、邪魔をし
てしまった様だ。


次のページへ   福井の小さな山歩記の目次へ   前のページへ