福井の小さな山歩記


越知山(1999・4・22)


越知山は車でも行けるみたいだが、それでは運動にならないので、武周ケ池から
のコースを登った。武周ケ池は静まり返っていて、キャンプ場周辺では桜の木が
最後の花びらを散らせていた。う〜む、いい雰囲気だ。



今日も天気が良く、ここの登山道はやさしく歩きやすい。途中わらびが沢山生え
ているのを見つけた。山から帰るたびに,かみさんにわらびは無かったのと聞か
れるので,今日は帰りに採ろうと思う。

ゆっくりのマイペースで登ったが,一時間15分程で頂上近くの駐車場に出て、
そこから10分くらいで越知神社に到着。神社前に殿池がある。
着いたら,よく通る声でお経を上げる様な声が聞こえてきてびっくりする。しかし,
ここは神社なので祈祷というものなのだろうか。お経と違って激しい気合いや、何
かを叩くような音も聞こえる。姿は見えないが少し上の方から聞こえてくるのだ。
越知山頂上は神社から100mほど横手にあるので、そちらえ向かう。奥の院が
あり三角点があるが,やはり「越知山頂上、612.8m」というヤツはないのであ
る。神社の敷地だからなのかな?

そこに腰を降ろして楽しいお弁当にする。コンビニで買ってきたおむすびが3個、
さけの入った海苔巻き、こんぶの佃煮の入ったとろろこんぶ巻き、それに五目稲
荷おむすび風という具合である。一個残すことにした。バナナも食べたいし、おの
ろけ豆も食べたいしね。
子供の頃から買い食いはいつも楽しい。次回はサンドイッチでいこうかな。

お弁当も終わり、展望台へ行こうと神社の境内を歩いていたら、住まいの方の
縁側で宮司さんと呼べばいいのだろうか、血色の良いおじさんと顔が合ってしま
い、挨拶したら上がって休んでいけと言う。最初は縁側に腰掛けていたが、暑い
ので囲炉裏端に上がり込んでしまった。
茶菓子と渋いお茶を出してくれて、小一時間ほど話し込んでしまったのである。
先ほどの激しい祈祷をされていた方なのである。



この方は、ここで寝泊まりしていて、三度の食事もつくっているのだそうだ。若い
頃は、東京は両国で国鉄の労働者だったという。青年部の部長もしたとか。そう
なると、私も二十歳ころは、国鉄の大井工機部(だと思ったが)の門前で、国鉄
の労働者へ出勤時にビラを撒いた記憶がある。すごい人数で、小脇に抱えたビ
ラが瞬く間に少なくなっていったのを覚えている。

話しは尽きないのであるが、朝日町の役場の人が車でやってきたのでおいとま
することにした。今度泊まりがけで来いと言う。NHKのアナウサーが来て、飲み
明かして帰ったそうで、大きな字でサインがしてあった。

展望台に登って帰路につく。途中でわらびを採ったので時間が掛かった。でも沢
山採れたのでかみさんも喜ぶだろう。武周ケ池沿いに駐車場に向かってゆっくり
歩いているとき、心地よい疲れとともに今日は充実した一日だったなと思った。



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