病院の風景

初めての体験


  2月24日(水)夜7時のニュースが始まって間もなくの時だった。食卓の椅子に座り、
ノートパソコン の電源を入れ立ち上げて、インターネットに接続されたと思った時、突然
テーブルの上にのせていた 左腕がガクンとテーブルから落ちた。
すぐに異変を感じた。腕が持ち上がらなかったからだ。 頭はハッキリしていたので、体が
斜めになりながらもインターネットの接続を切断したのだが、電源を 切る間もなく椅子か
ら崩れ落ちた。 床に腹這いになった。左足も全く利かず、四つん這いにもなれなかった
ので、にじり寄る様に電話機 に近づいて右手を伸ばしたが、左肩に力が入らないと右手
はあまり高く伸びず、かろうじて電話機を 引きずり落とした。
そしたらモジュラージャックが抜けてしまい、あせりもあったし、手が震えるみたいで モジ
ュラージャックを接続することが出来なかった。そうこうしているうちに妻が帰宅したのだ。

救急車で運ばれる途中、血圧は普段の2倍に達していた。 病院に着くとすぐに採血、点
滴、CT撮影と行われ、その頃は気分も落ち着き、左手の指先が少し動く ような気がして
きた。
CTの結果、脳内に出血は認められないと云うことだった。 12時間後、力の入り方は弱
いがほぼ動きは回復し、24時間後には完全に回復したようだった。
24時間後に撮ったCTは、目立った異常はなく、判別出来ない様な点みたいなものがあ
るかなと云う 程度だとのこと。病名は、一過性脳虚血障害と云うようなものらしい。 あとは
大事をとって、血管を拡張し、血が固まりにくくする薬を投与するだけらしい。もっと悪くて
もそうする以外手はないらしいのだが。

かくして何の異常もない様な二週間にわたる入院生活が始まったのである。


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