福井の小さな山歩記


経ケ岳(’00・07・20)


福井県地方は昨日梅雨が明けた。天気は晴れ、そして今日は「海の日」だとかで休日である。
そこで、まだ登ったことのない、取って置きの福井の山「経ケ岳」(1625.2m)へ挑戦すること
にして、朝5時に家を出発した。朝は涼しくて気持ちがいい。

6時20分頃林道法恩寺線の登山口着。先着1台と私の前を走っていた車1台、そして私と3台
が並んだ。私はそこで朝食を食べたので、前の車の人は頂上で会いましょうと登って行った。私
も6時40分頃だろうか登り出した。


保月山頂上(1272.8m)

間もなく私より少しは若いかなと思われるご夫婦が立ち止まっていて追い抜いた。朝は涼しい
と云えども保月山までの50分の登りはなかなかで、ひと汗かいた。先程のご夫婦も追いついて
日陰で小休止。旦那はがっちりとした体格で奥さんをエスコートしていると云う感じなのだ。旦那
のリックは大きく奥さんのそれは申し訳程度なのである。
うちは逆みたいなのである。かみさんはゴルフ焼けした腕、安定した腰まわりにそれを支える
太い足。私はと云うと、お腹は出てきたが華奢な上半身、少し猫背で顔が前に出ているといった
案配で、歩く格好ですぐ判るとか。そんな訳で私は一人で歩くことにしているのである。


杓子岳から経ケ岳を望む・左手前は中岳

保月山から杓子岳への道は変化があって疲れを覚えない。杓子岳は見晴らしが良く、中岳への
道経ケ岳への道がくっきりと見える。経ケ岳を登っている人が見える。もうひと息で頂上だ。中岳
への道は展望のきく、とても気持ちのいいコースである。

中岳を過ぎて鞍部へ下り始めたら、若い男の人が経ケ岳の方からやってきた。まだ8時半を回っ
たところだ。なんと早い。そして私は経ケ岳への最後の登りへ取り掛かる。30分の我慢だ。あと
ひと息で頂上という時に、頂上で会いましょうと云った方が降りてきてしまったのである。なんと
1時間55分で頂上へ着いたとのこと。帽子に何処かの山岳会の名前が刺繍されていた。そして
先程降りていった若い男の方が最初の車の人だという。そうすると私が追い抜いたご夫婦は奥
越青少年の森から登っているのだと思われる。それだとなかなか大変だろう。


経ケ岳頂上 白山は雲で見えない

9時25分頃頂上着。だんだん雲が沸いてきて白山は上の方は見えなかった。でも赤トンボが
乱舞している誰もいない頂上でゆっくりビールを飲むのは格別だ。今日は450mlのキャップ付き
のビン形の缶ビール?を持ってきた。凍らせたジュースと一緒に持ってきたから、冷蔵庫から出
したばかりの冷たさである。手に力がなくてキャップがなかなか取れない。情けない。

ビールを飲み終わって下界を見たら、先程の山岳会の人は中岳の頂上付近を通過中。そして、
休んでいた人としばし立ち話をしてお互い離れる様に歩きだした。すべてが丸見えだ。これでは途
中しゃがみこんで用をたす訳にもいかない。


経ケ岳から中岳を望む・左は杓子岳

少し先の方へ行ってみたりして45分ばかり過ごした後降り始める。すぐに爺さんがひとり登って
きた。長年登りたいと思っていた念願がかなったと人なつっこい顔で話しかけてきた。10分ほど
降りたところで例のご夫婦が休んでいた。ずいぶんと時間が掛かっている。お疲れさんである。

そして、つぎつぎと登ってくる人に出会う。登山口に午後1時に着いたが、その間28人の人達と
すれ違った。私は登りに2時間45分、下りにも2時間45分掛かったのだ。登りの時は一生懸命
で膝の調子も良いのだが、下りは膝が疲れて早く歩けないのだ。下りの時はいつも道のりが長
く感じる。よくもこんなところを登ってきたなと我ながら感心するのである。



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