北陸の峠道


近庄峠


丸岡町近庄と上竹田の間にある峠で、今は国道364号線のトンネルが横を通っている。採石場の看板が
ある処を曲がるとすぐに清水場があり、不動明王が祀られている。この峠道の出発点に相応しいのだが、
舗装道路なので、写真を撮って近庄トンネル直前を右へ降りたところまで車で行くことにした。



清水場の不動尊

この峠は、近庄と上竹田を結ぶだけでなく、榎峠で書いたように、豊原寺全盛期には豊原寺白山禅定道が
ここを通って浄法寺の方へ向かったと云われる。また、峠から西へ尾根伝いに鷹取山へ、そしてフクイカント
リークラブゴルフ場へ降りる道が地図には記載されているのだ。昔はよく小学校の遠足に使われたという。

動物のうんちが山のようにあるコンクリの道を堰堤まで行くと草に覆われた道に入る。昨日が大雨だったの
で、たちまちのうちに濡れてくる。沢沿いにあやふやな道らしいものが続く。沢を飛び越え、また渡り返すう
ちに道が不明となり、杉林の中、下草がないので登りやすい方へ登ることにする。



峠のお地蔵さん

40分ほどで尾根道へ出る。すぐ近くで車の音がするので、林道がすぐ下を走っているという事は、地図上
から峠に近いらしいことが判る。右の方へ少し行くと明るい処へ出た。枯れた巨木があり、どうやら峠らしい。
あちこちとうろうろしている内に峠のお地蔵さんを見つけた。やはり峠道の際にあった。
上竹田へ降りる道は枯れ枝と雑草で、すぐ下の林道にも降りにくい。誰も歩く人がいないのだろう。東の浄
法寺の方への道を辿ろうとしたが、道はしっかりとあるのだが枯れ枝が積み重なり、その上に太い雑草が生
い繁ってとても歩けない。それですぐにあきらめた。



峠の巨木の横に見える松岡の街

西側の鷹取山に向かうが、道にも細い木が茂り、枝が道を塞いでいるし、なにしろ雨上がりだがらびしょ濡れ
になり、ぐしょぐしょだ。おまけに道を間違えたのか手前のピークに登ってしまった。後でそこから藪漕ぎすれ
ば鷹取山へ行けたとわかったが、その時はお地蔵さんまで戻って食事とした。

食事後また鷹取山へ向かったのだが、今度は突然道がなくなって崖みたいなところに突き当たり、あまりに
ぬれそぼってしまったので、今日はここまでとして峠に引き返した。峠からの踏み跡をたどって降りようとした
のだが、すぐに判らなくなり峠に戻る。そこで登ってきたところから降りることにした。

歴史に彩られた峠道も、歩く人が居なくなれば荒れて廃道とならざるを得ない。残念としか云いようがない。
高齢化社会を迎え中高年の登山ブームは、ますます広まると思われるので、道を整備して新聞やテレビで
報道すれば、きっと沢山の方達が来ると思うのだが。それとも百名山症候群の方達ばかりなのだろうか。

<歩いた軌跡>

(’01・07・01)


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