北陸の峠道
仏峠
小松市尾小屋町へ向かう国道416号線へは産業道路から入ったが、
とても良い道で道路
標識もいくつもあって判りやすい。尾小屋鉱山資料館のところに登山口がある。手前の舗装
された道から登るのが一般的みたいだが、資料館の裏から「つつじの石垣」の前を通って谷
沿いにも行ける。資料館の横には立派なトイレがあるのがうれしい。
登山口には「すずめ蜂
が大量に発生しているので注意」の表示があった。
登り始めると間もなく仏峠の由来を記した石碑と十一面観音像がある。
仏峠は大倉岳(651m)への通過点で,仏峠を目指して登ってくる人はいないみたいだが、あ
まり楽をしても運動量が少ないかもしれないので、途中から作事峰(560m)への道へ入った
。登りになるとやたら階段状になっているのが特徴的なのだ。帰り道は旧道分岐から谷沿い
の道へ降りたが、この道もうんざりする程階段の連続だった。
道しるべは皆だいぶ痛んでいて、樹木も時間が経って繁ったのか展望広場がわからず、我々
の前を歩いていた夫婦も、わざわざ戻ってきて展望広場がないとか云っていたのである。作事
峰を降りて行くと仏峠の直前へ出た。峠道へ出て,やっぱり峠道らしい良い道だなあと思った
のだ。峠への道は、普通階段状にはなってないし、あまり急坂は少ない。急な斜面はジグザ
クに登って行くと云うのが多い気がする。
取り合えず目的地に着いたので休憩にした。今日は途中コンビニにも寄らず、家から持ってき
た僅かなパンとバナナしか無くて、缶ビールもないのでお湯を沸かして,スープとコーヒーを飲
んだ。時々大倉岳へ向かう人達が通り過ぎるが、若い女性が多かった。
コスモスがゲレンデ
に満開になっているのかもしれない。優しい山なのだ。
ところで、峠と云うからには反対側の鳥越村阿手へ降りて行く道があるはずだが、何処にも見
当たらない。うろうろして気持ちの良い尾根道を大倉岳の方へ15分ばかり歩いた。あと30分
で頂上へ行けるのだがと思いつつ,この先は登るばかりみたいなので峠道とは違うと思って
引き返した。笹藪に隠れてしまったのだろうと思うのだが、それと思うところに「ここにすずめ蜂
の巣あり危険」と書いたボール紙が取り付けてあるので近づく訳にもいかない。今回2万5千
分の一の地図も他のガイドブックも何も持って来なかったので,諦めて下山とした。
ほぼ水平な広い気持ちのよい道が続く、峠道はこうでなくちゃと思う様な道である。やがて旧
道分岐と云う所についた。また阿手鉱山と尾小屋鉱山との間を粗銅を運んだ道とかが書いて
あったみたいなのだが、この旧道分岐と云う意味がいまいち判らない。旧道とは仏峠への道
だと思うのであるが、何処から見て旧道分岐なのだろう。
我々はそこから階段が多いなとブツブツ言いながら谷沿いの道へ降りた。途中2カ所に鐘が
ぶら下がっていて、熊除けかなと思って鳴らしたら、あまりに大きな音がしたのであわてて押
さえたのだった。
いろいろな謎を解明すべく尾小屋鉱山資料館へ入ろうとして入場料を見たら800円だった。
二人で1600円なのである。はたと考えて止めにした。今日は高速も使わず,コンビニにも寄
らずに来たのに、この金額は高すぎるのではないか,と思ったのである。
だけど,資料館の名
誉の為に付け加えると高中小の生徒は無料である。
(’00・10・08)