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初期のB1前立腺癌の告知を受け、病気の知識が全く無かったため、インターネットで情報を収集しました。過去に3ヶ月の椎間板ヘルニア手術入院を経験しているため、前立腺を全摘出する治療だけはしたくないと思いました。全摘出術は入院を3週間から4週間も要すると言われていたので自営業の自分は選択枠から除外したかった。その時、HIFU治療を探し当て、全国に30ヶ所しか無い病院のリストに津市の武内病院があった。自宅から40分で行ける距離で近いため、津市の友人に武内病院の評判を尋ねると理事長と医院長の2人共に同級生で良く知っているお医者さんと知り、自分も同じ年齢の62歳なので、この病院に託してみようと決心した。高額の84万円のため、家族に相談し、治療後の養生が永く掛からないで直ぐに仕事に復帰できる治療をしたいと思った。 早速、県医療センターに行き、紹介状とデーターとフィルム類一式を借用して武内病院に予約を入れて出向いた。HIFU手術を受ける覚悟で病院に行ったため話が早く手術ができるかどうかの検査が始まった。PSAは8.2(以前は6.7)まで上昇していた。前立腺の体積は29mL(40mL以下でないと超音波が届かず手術不可能とのこと)だったため手術可能であった。更に前立腺内に石が発見されたが小さいため超音波は通過すると言われた。 尿流測定は8mL/secで(正常値30mL/sec)尿の勢いは無かった。 武内病院でのHIFU治療者は自分が16番目と言われた。3泊4日で84万円は高価であるが最も患者に楽な治療ができることが分り、気分的には前向きになった。 手術の日程を決め、準備品(2210円)を買い集めた。HIFU治療費84万円の内訳は説明して貰えず、準備品くらいは含まれていないのかと思った。
平成19年7月4日入院した。この病院には2室しかない特別室でバス、トイレ、電動ベッドで広くて豪華な病室だった。HIFU患者は特別待遇で特別扱いで気持ちが良かった。 担当の医師が病室に来られた。ビックリしたのは初診を受けた同じ年齢の男性医師ではなくて、40歳代の綺麗な女医さんだった。最新技術のHIFUは若い医師に引き継がれているのだと思った。そして若い20歳代の看護師さんが親切に世話をしてくれた。 抗生剤アレルギーテストの皮下注射を受けてクリアーした。下剤を飲み、明日の手術に備えた。 7月5日は朝から絶食で点滴と浣腸をした。この時は個室で室内にトイレがあるのが嬉しかった。9時に尿流テストをしたが8mL/secで勢いは無かった。臍の下5センチくらいな所にカテーテルを通す予定だと言われて看護師さんが毛を剃ってくれた。手術直前に手術着に着替え、エコノミー症候群対策の特別なフクラハギを圧迫する靴下を履いた。 肩に精神安定剤の皮下注射をされたら、緊張しなくなり記憶が薄れていった。手術室に到着する頃は半分眠っていたと思う。移動用ベッド車に乗り移るのは覚えているが後は記憶にない。13時10分に手術室に入り、16時頃に病室に帰ったそうだ。 高密度焦点式超音波照射式手術は約90度の高温に焦点を絞り、3mmDX3mmWX12mmHの大きさの音波を3秒間照射し、3秒間休むのを繰り返し、コンピューター自動スキャニングして癌細胞を焼き殺す手術だった。実際の照射時間は50分間で約550箇所を照射したと言われた。 バルーンカテーテルは腹から膀胱に直接挿した状態になっていた。臍下5センチの所に管が出ていた。この穴は真っ直ぐに膀胱まで開けてあるのではなく、重要な血管を避けながら穴を開けて良い場所を見つけながら開けられたそうだ。手術を約3時間して病室に帰ってから約1時間後に麻酔が覚めてきた。手術結果を家族に詳しく説明して貰った。 下半身は痺れたままで感覚は無かった。両足はしびれたままでだるかった。少しずつしびれが無くなり、感覚が戻ってきた。手術した所の痛みは無く辛いことは無かった。下腹のカテーテルから尿が袋に自然に溜まった。術後3時間後に飲み水を口にできた。その夜は点滴の連続だった。
7月6日(手術翌日)は朝食は3部粥で昼は5部粥、夕食は7部粥だった。痛みは無く、朝から歩行の許可が出て、歩いた。特殊な靴下を脱いだ。この靴下の圧迫感でフクラハギが凄くだるく辛かった。 病室にレントゲン撮影をすると言われ機械が搬入されて肺、腹のレントゲンを撮影された。異常は無かった。
7月7日(手術翌翌日)朝は全粥、昼は一般食を食べたが美味しかった。腹のカテーテールの取扱い方、消毒の仕方と家での注意点を教わり、入院費用84万円丁度を支払ってから退院した。個人の要望があれば入院費は同じで2〜3日退院を伸ばしても良いと言われたが。 家族の車で約40分掛かって自宅に帰った。痛みは無かった。 退院後の注意点は 3ヶ月間は自転車は禁止、1ヶ月間は飲酒禁止、固い椅子、正座は禁止、6ヶ月後に生検をしますと言われた。
7月13日 手術して9日目に亀頭部から初めて少しであるが尿が出た。腹部のカテーテルがあるため全部は出ない。尿道が手術で焼けて詰まってはいないか心配だったが尿管は貫通していた。些細なことだが自分の亀頭部(チンチン)で尿ができたことは嬉しかった。 日毎にチンチンから尿が出る回数が増えたが血尿ばかりだった。特に大便の時に多量の血尿が出た。トイレの便座に座っても手術した箇所に痛みが無いことをヒントにしてホームセンターで円座布団(ドーナツ形座布団)を自動車用と家用に買って使用した。座った時に痛みが少ない。退院後の初めての通院は1週間後になる。 HIFUの手術は痛みが殆ど無く、切腹しないので外の切り傷が無くて治癒が早くて素晴らしいと思った。退院後12日目に自営業の仕事ができたのだから。反省点は治療費84万円はどこまでを含めた治療費だったのかを事前に知っていなかったことだった。入院してから本人の希望日に退院し、次の通院日までの薬代を含めた全部の費用だったことが後で分った。結果的に手術はうまくいったし、待遇が良かったので何一つ文句は無く感謝するのみ。 ここまでの全費用は919,000円です。
術後の初めての通院は体験談−3に書きます。よろしくたのみます。
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