治療の推移やときどきの想い


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'04年1月22日 小線源療法に決める
診察日、まず前回の血液検査の結果が報される。PSAは劇的に少なくなって0.2だ。しかし肝臓に副作用が現れてきたらしい。これ以上悪化するようなら薬を出しましょうということだった。

さて、若狭湾エネ研の陽子線での治療は、予算の関係で次年度の治療は6月からだという。しかし
6月から私が治療を受けられるかは、まだ全くの白紙なのだ。頼み込めばなんとかなるだろうとはいうのだ。こういう話をすると、すぐに県会議員に頼めばと言う人がいる。いまはまだそういう世の中なのだろうか。まあ、研究施設で無料で治療を受けようというのだがら、あまり文句も言えない。
静岡と兵庫でも陽子線の治療は受けられるというのだが288万円も要る。それから、この病院に6月頃に新しい治療機械が入るが、それは狭い範囲に集中して放射線を当てられるから、陽子線と同じ位の効き目があるという。しかし、設置したばかりではばたばたするのではないかと思う。

そこで決心して慈恵医大附属病院で小線源治療を受けることにした。担当医もすぐに紹介状を書きましょうということになり、レントゲンの写真等も借りることになった。コピーして貰うとお金が要るのだという。

またリュープリンの注射を打ち、4週間分のガソデックス錠を薬局で受け取り帰路についた。今日の支払いは 30,560円 紹介状の手数料もすでに含まれているということだった。

'04年1月29日 慈恵会医大附属病院で受診
午前9時過ぎに着いて初診の受付へ。今日は予約を入れてないので長時間待つ覚悟なのだ。早く
終わっても行く所が無いし、病院でゆっくりしたいという感じだ。そこから泌尿器科へ、待つこと2時間半、名前を呼ばれる。

医師はすでに私の持ってきたCTやMRIの写真に目を通していて、まずは「小線源治療をご希望の
方へ」という印刷物をくれ、すぐに処置室で触診。お尻から指でちょっと触っただけで、前立腺が小さくなっていますねということだ。そして、私の場合、小線源療法を受けることに問題はないと思います
が、「ここでは週二人のペースで治療を実施しているので、半年から一年位は待つことになるかも知れません」というのだ。おやおや、だいぶ思っていたのと異なるではないか。

さらに、「当泌尿器科で小線源療法に関係している医師は1人しかおらず、その医師の診察日は金曜日の午後だけなので、次回金曜日に来て下さい」というのである。そこで明日の金曜日はどうですかと聞くと、遠くからお出でになっているので、と予約を入力しようとしたが受付が締め切られていて、予約が一杯でダメだとのこと、それで翌週の6日(金)午後2時に入れて貰った。これなら朝福井
を出ればいい。

これで今日の診察は終わった。会計で1、200円を払って外へ出る。そして、隣の私の母校の入り口を入ってみた。この3月に閉校になるので記念に数枚写真を撮った。若い先生の話によると、これを買い取る所によって、取り壊すかこのまま使うか判らないとのことだった。
外へ出るとちょうどお昼時で、食事処はどこも行列が出来ていて、鰻丼屋も行列が出来ているところが東京らしいと思った。

'04年1月30日 高密度焦点式超音波療法
次男の所へ二泊して、せっかくだからと茨城は北浦の長男の所へ泊めて貰おうと東京駅から高速バスで水郷潮来に向かう。初めてなのだ。

ところが、東京駅でバスに乗るか乗らないかの時にカミさんから携帯にメールが入った。新聞に新しい前立腺癌の治療法が載っているという。開腹もせず放射線も使わず、患者の体への負担が少なく後遺症も極めて少ない。入院も一泊二日程度なのだという。治療費は今のところ健康保険の適用がないので80万円なのだそうである。
ホルモン療法、全摘出手術、何種類かの放射線療法と比べると、限局性の癌に限られるがとても
すぐれた治療法だと思われるのである。この新聞記事を見て治療希望者が殺到するかも知れないが、治療が比較的簡単なように思えるので、週当たりの治療人数も多いのではないかと思う。何ヶ月待つことになるか判らないが、一応問い合わせてみようと思う。

あと半月でホルモン療法を始めてから4ヶ月になろうとしている。これからまだ1年もこのままの状態で待つというのは辛いものがある。ホルモン療法を開始した頃から、なにやら原因不明の体調不良が続いて毎日がうっとうしいのである。来週頭に超音波療法を施してくれる病院へ問い合わせをしてみて、出来れば診察の予約もしたい。

'04年2月3日 問い合わせの電話をする
昨日月曜日、朝9時をまわったので電話をする。電話先は「東海大学医学部附属八王子病院」の問い合わせ先電話(代表)。すぐに泌尿器科へ繋いでくれ、先生が直接話を聞くので掛け直してくれとのこと。後刻電話すると新聞記事で取材に対応されていた先生が電話口に出られた。

福井からと告げると「広島と岡山とどちらが近い?」と言われる。そちらにも同じ装置があるとのこと。事情を言うと、「じゃ八王子で」ということになり、「9日月曜に予約を入れて来なさい」ということで決定。CTの写真もMRIの写真も不要とのことで、紹介状だけ持って行くことになる。この治療では
限局性ということが重要らしいと思われる。

福井の病院へ紹介状を依頼するために電話を入れたが、この前慈恵医大附属病院で紹介状を書いて貰ったばかりだし、写真類も借りているのでちょっと気が引けた。相手の看護師さんも怪訝そうな雰囲気が感じられた。しかし、こちらとしてはお願いするより仕方がないのだ。

この高密度焦点式超音波療法は、放射線じゃないので、私みたいなガンの家系ではこの後も別の
ガンに罹るかもしれず、その時に放射線治療を受けられる余地が残されているし、治療は短時間で
体への負担が少なく、合併症・後遺症・副作用といったものが少ないのがうれしい。術後時間を置かないで山歩きが出来そうなのだ。最近言われているQOLが満足されるかも知れない。まあ、治療
を受けてみないとなんとも言えませんが。

全摘出や重粒子線、高線源留置等の手術記録・日記などはHPで目にしますが、まだ前立腺癌に対するこの超音波治療の記録は見かけませんので、いまいち感じが掴めず、希望ばかりが先立つ感じではあります。

※広島厚生病院・岡山市立市民病院 合計全国に15カ所程でこの治療ができるらしい。

'04年2月6日 慈恵医大付属病院の件
一応MRIなどのフィルムを返して貰わないといけないし、一年も待てないから他の病院へ行くという
ことを伝えないと行けないので予約した時間に行く。小線源療法を担当する医師に会うことが出来た。確認したら、やはり一年以上待たなければ行けないとのこと。年末にメールでの問い合わせには
5ヶ月位とあったが、その時もそれ以上の待ちでは無かったかとのこと。ともかく反響が凄いとのことだった。保険がきく最新療法(日本では)だからだろう。
私が他の病院で治療を受けたら、電話をしてくれれば順番待ちから外すということだった。

'04年2月9日 東海大学八王子病院で高密度焦点式超音波治療の日決まる
長い間待たされたが、治療日を決めたりしたので最後に回されたのかもしれない。先生は私の紹介状を見て、電話で話をしたことを想い出してくれた。紹介状ですばやく私の状態をチェックして、石が
ないか調べるのでと、すぐに超音波検査を行い、小さい石だから大丈夫だ。これで手術は問題なし
で4月26日手術と決まった。

ガン確定時 PSA 5.8、グリソンスコア 3+2=5,大きさ 25 だったが、超音波検査では 大きさ 18.6 とか?なにしろテキパキと早いので、すべて聞き取れないくらいだ。副作用等の説明を聞いて同意文書に署名をしたり、幾つかのアンケートに記入。アンケートは男性機能に関するものと琲尿に関するもの。いつでもこの病院での治療をキャンセルしても可、そこへ他の人を入れるのでとのことだった

手術後一ヶ月は自転車に乗らないこと、アルコールを飲まない事以外は制限なし。ゴルフもOKだと
のこと。勿論歩くのもいい。術後はホルモン療法は中止してPSAを監視する。6ヶ月後に生検をして
ガンが残っていないかを調べる。

入院は一泊二日でもいいが、三泊四日で経過を見た方がよいだろうとのことで、それに決める。費用はどちらも変わらず80万円だとのことだった。5年間は経過を追って治療結果を集積するらしい。

これで決まりだ。あとは副作用もなく、うまくゆくことを期待するのみとなった。

※治療法等についてはWebで検索すると詳しくでています。先生の説明された内容もほとんど見たことのあるものでした。やはり有料ということと、全国で15カ所程で治療可能なので2ヶ月後の治療となったのだと思われます。

04年2月18日 より安全で正確な超音波治療を〜今日の新聞記事から
超音波療法も海外ではすでに広く行われているらしい。小線源療法と同じで日本は医療の面では
欧米よりだいぶ遅れているという印象を受けるのだ。福井新聞の科学トピックス欄に載った「がん治療超音波センサー開発へ」の記事をそのまま引用させて貰います。

「英ペイズリー大は、前立腺がんの治療を目的に超音波センサーの開発を進めている。開発中のセンサーは、がん組織と正常な組織を従来より明確に見分けられる。超音波を患部に当てて加熱し、
がんを固まらせて殺す装置を組み合わせ、画像診断と治療を一緒におこなって安全で正確な治療につなげる狙い。」
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