北陸の峠道


桃の木峠・嵐谷集落から

この峠には、金山集落の方から登ったことがある。もう10年も前になるが、今度は嵐谷集落から登ってみたいと
思っていた。それで4年前にドライブがてらに嵐谷集落から道を探して少し歩いたことがある。その時は何も持たな
かったので、道跡が判らなくなった時点で引き返した。
その帰りに集落で80歳のお年寄りに話を聞いて、またここから登りたいと思っていたのだ。今回近所の山の会の
方から連れて行って欲しいとの話があり、これまたご近所の方と3人でやって来たのだ。


ここから登る、集落の入口です。 今回写真が上手く撮れなかったので4年前のものです。

今回は集落の中を歩きだしたら地元のおんさんに会ったので道を聞いてみた。するとここは何年も草刈等の手入れ
もしてないので道はもう歩けません。車で行ける林道が峠まで出来ているの車で行きなさい、と言う。一般の人では
とても無理なので、到底お薦め出来ないと強い口調で仰るのだ。


こう強く言われては困ってしまう。相手の方もこちらのことを考えて仰っているので、一応、地図もGPSを持っている
ので行ける処まで行って確かめたいと話をして別れた。 少しで行き止まりになる道を確かめてから急な尾根を登る。
その道が草で覆われた時 左斜面に踏み跡があったので、そちらを登った。急な斜面を根曲がり竹などにつかまりなが
汗をかきながら暫く藪漕ぎ状態が続いたのだ。


林道が通って斜面が急になった様で這い上がった

4年前には無かった林道に出る。林道はすぐに行き止まりで、道の続きを見つけて歩くと前回引き返した様な感じの
処へ出た。しかし その右手は大きく伐採されて開けており、道はリボンで伐採された右側に沿って真っ直ぐ上に向かって
誘導されている。上には新しい林道の一部が見える。

 
斜面一面が伐採されている                             林道に上がると日本カモシカがいた

伐採作業中の方に聞いたが、峠道はご存知ないらしく、上に見える林道を左に進めば峠だとのことだ。この時点で峠
への道があったと思われるコースから大きく離れてしまうのだ。集落で会ったおんさんの言うのは、ここから先のことなの
だろう。
ピンクのリボンの道は、もう旧道は歩けないと云うことの意味なのだろう。600m位藪漕ぎ等道を探しながら歩けば
峠に到達出来るのではと思われる。いや歩き易い道もあるかも知れないのだが、我々は林道に上がって峠へと向かって
歩いたのでした。

  

余計な処を歩いたりしたので、2時間20分も掛かって峠に到着、昼食とした。峠は涼しい風が吹き、林道から峠へ降りる
処からは、麦畑の黄色い斑ら模様の大野市街が綺麗に見渡せました。峠の標高は865m 峠の大杉は推定樹齢400年 
樹高40m 幹周り8m 大野市指定天然記念物 森の巨人たち百選に選ばれています。



峠の周辺には色々な珍しい花や初めて見た大きな蛾(蝶?)もいました。金山の方から登って来る道も雑草に覆われて
いましたが、嵐谷の方へ降りる道も雑草や倒木等に覆われ見た目では道は見えませんが、その下には永く歩き続けられて
踏み固められた道が隠れているのでしょう。



道を探すのでしたら車でここまで来て、斧や鎌を持ってということになるでしょうが、峠道を歩く方がいらっしゃらなければ
意味が無いので、結局は難しいことなのでしょう。 4年前に嵐谷の集落でお話したおばあさんのことを懐かしく想い出したり
しながら嵐谷を後にしました。


(’12年 6月 11日)
2万5千分の1地図「下山」「荒島岳」」

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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)
 を使用したものである。(承認番号 平17総使、第657号) 」