北陸の峠道


おばこ峠〜城山〜観音峠

上杉喜寿著「越前若狭 続・山々のルーツ」を見ていたら、永平寺近くの城山というのが目についた。
そこに初めて聞く「おばこ峠」が載っていた。小さな概念図だけで、その他の事は何も判らないのだが、
低いし 峠までも近い、それに城山から先の名前の知らない峠にも行けそうだ。

おばこ峠(轟坂)標高386mは永平寺の手前の荒谷集落から越前鉄道の走っている轟集落に越える
峠だ。荒谷で生まれ育ったお爺さんに会ったので訊ねたら、峠の名前もご存じない様子で、そんな処へ
行く道は無いとのことだった。
城山・標高473.8mは尾根伝いにこの二つの峠の間にあって、越前波多野重義の城跡だとのことだ。
この人は道元禅師の越前移住に大きく係わったらしい。

城山の左側の峠もご存じないみたいだ。もうずっと昔に使われなくなったと云うことだろう。観音峠は、辿り
着いて判った名前だが、昔からこう云う名前だったかも定かでない。荒谷の隣の市野々集落から越前鉄道
の下志比駅のある谷口の集落を結んだ道の峠である。 

普通は登り口が判ればまずは安心する。資料が無いので荒谷集落に来て地図と現場を見て考えた。
方向が違う舗装された道は止めて右に入る林道へ、沢の右上に付いている藪化している林道へ入った。



その荒れた林道は堰堤の処で終わり、堰堤の上流側に降りて少し歩いて沢の左側近くを進んだ。どの
位歩いたか林道に出て、おやおやと思ったのだがすぐに終点に なりまた沢へ。上の写真の舗装された
道がここへ続いているとしか思えない。


こんな処に道があったのか

空が開けている処でGPSで位置を確認して沢伝いに進むが、途中左に寄らなければと思いつつ土手
 を登るのが面倒で、だいぶ方向がズレてしまった。方向を修正して峠の下へ来たらリボンが付いていた。


右寄りの窪みが峠

ここが おばこ峠(轟坂) 標高もぴったりでした

反対側もあまり歩き易そうではないので、降りるのを止めにした。休憩をとって城山に向かう。

峠へ来る途中で振り返ったら、城山の山腹に白いガードレールが見えたので少しがっかりしたが、15分
歩いたら左下にその道路が尾根に沿って延びている。ときには尾根を削り取っていて、いったん道路に降
りることもある。降りないまでも削り取られて細くなった尾根は、藪の処が残されて歩きにくいのである。



そんなこんなで綺麗に整備された城山に辿り着いた。



車だとすぐ下まで来られるので人も来易いし整備もし易い。そうなると尾根を歩く人は少なくなるので道
 が荒れるかも知れない。一部踏みこまれて窪んだ道が現れたが、こういうのがずっと残っていて欲しい。

初めての道で下りは間違え易い。ずいぶん長く感じて、次の峠に行かなくても早く下りてもいいと思って
 いたので、尾根の分岐で下る方向へ進んだ。そしたら道路に遮られて凄い急斜面を降りるはめになった。

大休止。そこから続く尾根を覗きこんだが、急だし止めて道路を歩くことにした。そしたらすぐに観音峠に
出たのだ。


この様にお金を掛けるには何か謂われがあると思うのだが、説明の様なものは無かった。

峠道を探して下らなければとウロウロしたが、結局は谷を降りるらしいと云うことになった。杉の枯葉が
積もって踏み跡も判りにくいが割と歩き易く楽に下って、やがて下から上がって来る林道の終点に出た。

一周およそ7km、車に戻ったら6時間も経っていた。久し振りの峠歩きは天気も好くて満足したのだった。


---- GPSの軌跡です (Track Logger WPL-1000LXによる)----
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)
を使用したものである。(承認番号 平17総使、第657号) 」
 


(’11年 4月 12日)
2万5千分の1地図 「永平寺」「丸岡」
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