隠れ家とその周辺点描
富来散策
墳墓窟「やぐら」・大福寺観音堂
墳墓窟「やぐら」 「やぐら」と言っても、これは志賀町役場近くの飲み屋「櫓」のことではない。富来は
地頭町の岸壁に掘られた墳墓窟のことだ。すぐ傍に世界一長いベンチがある。「やぐら」を見るだけでは
すぐ終わりなので、道の駅や世界一長いベンチ、岸壁の母の碑などを見て回る。
昨年鎌倉を歩いたとき「やぐら」と呼ばれる石窟のお墓を沢山見たが、これは御家人や僧侶などのお墓
と云われている。「やぐら」は鎌倉以外にも幾つかの県で知られているが、それらはいずれも鎌倉の武士
や僧侶とのつながりがみられるとのことだ。
何故この富来に見られるのかと云うと、鎌倉幕府に関わっていた役人に 富来氏と云う一族がいたのだ。
その中の誰かがこの地と繋がりがあって、鎌倉の様々な風習をもたらしたのではないだろうか。いずれに
しても貴重な遺跡と云うことだ。
能登国三十三観音 第二十六番 高爪山大福寺観音堂 世界一長いベンチから北へ国道を7キロ
ばかり進むと、右手に能登富士と呼ばれる端正な姿の高爪山が見える。この山には’04年4月30日に
登っている。登るというほどのことではないが、山頂に奥宮がある。
国道からの高爪山への入り口より少し手前左に、高爪神社への案内があり、左へ曲がるとすぐに神社
がある。階段を登って右奥の建物が観音堂で、すぐ側に御神木のタブの木が立っている。
札所本尊は、60cmほどの十一面観音坐像で、宝永七年(1710)に、金沢仏師松井右近と塗師富来
高田村七郎兵により製作されたと台座裏の墨書にあるとのことだ。
まず高爪山に登ってから、こちらへ参るのが良いのではと思われる。詳しくお知りになりたい方は、
北国新聞社刊・能登国三十三観音のたび を見て下さい。
<ご詠歌>〜 七宝の珠散る山の大福寺、浄土と共にあらん燈 〜
(’08年 11月 24日)