北陸の峠道


茂住峠から六谷山

茂住峠は、岐阜県神岡町茂住から富山県大山町長棟へ越える峠で、標高は1060mとある。
昔、茂住も長棟も鉱山で栄えたし、飛越街道の裏街道としても人馬の往来が沢山あったらしい。

 国道41号で東茂住の交番の横へ曲がると、すぐに「ノーベルへの散歩道」の看板が立っている。
宇宙線を研究をされている方々が散歩されていた道だそうで、「あなたもノーベル賞を受賞できる
かも?」とあった。

その先すぐに工事中通行止めの看板とフェンスがあり、行ける所まで行こうとフェンスを除けて
先へ進む。左下の沈殿池が見えなくなる頃、3台ばかりの重機と作業小屋があったので、その
手前に車を置いて歩き出した。しかし、工事は完了していて全く問題は無かったのだ。


工事は完了していて、帰りには重機が1台と作業小屋が無くなっていた

植林に行くところだと言うトラックのおじさんが教えてくれた。おじさんの話によると、珍しい鉱石
があるとかインターネットに載ったおかげで、それを探しに来る人がいて、危なくて困るとのこと
だった。熊避けには熊ベルよりラジオがいいそうだ。やさしいおじさんだった。


林道から六谷山が望める 反射板の右側になる

我々は予定より30分ばかり峠までの林道歩きが長くなったが、1時間半掛かって峠に着いた。
林道を歩いていると、終始左手に反射板のある六谷山の山頂付近が見えている。紅葉も進んで
いる様子だ。


茂住峠のお地蔵さん 石仏と言うべきか

峠には山道へ入った処にお地蔵さんが2体祀られている。その前が昔の道だった様で、左右に
窪んだ道跡が残っていた。昔の道は現在の林道と同じ様な道筋だったのだろうか。

六谷山(1397.6m)への道は県境でもあるし、反射板の巡視路でもあるので、歩きやすく迷う
ところはないが、最初は樹脂製の階段で一気に登ってしまう。ブナの幼木と成木が混じりあった
林だった様な気がする。


上:山頂の一等三角点   下:すぐそばの反射板とひと塊の木立


登り切って尾根を左に曲がると、少し痩せ尾根となって周囲に見晴らしが開ける。一等三角点
のある山頂まで、峠から1時間半ほど掛かった。すぐそばに反射板とひと塊の木立が見える。
車を置いた処からは標高差810mばかり、歩いた距離6.5km、3時間と云うところだった。


尾根上の道

 一口だがビールが美味しい。最近コンビニでおろし蕎麦が買えない。タイミングが悪いのだろう。
遠くの山々は霞んでいるが、今は紅葉の中に身を置けるだけでいい。下りは1時間で峠へ、ブナ
の黄葉は、陽射しを受けて明るい。枯れ葉をカサカサと踏んで歩くのは気分がいい。ホウの枯葉
を踏むと一段と大きな音をたてる。


林の中の枯れ葉を踏む道

林道の下りも趣のある景色で、この時期山の中は何処を歩いてもいいと思った。


林道

 (’08年 10月 21日) 
2万5千分の1地図 「東茂住」

---- GPSの軌跡です(TRACK−LOGGER WPL−1000LXによる) ----
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)
を使用したものである。(承認番号 平17総使、第657号) 」


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峠にて お地蔵さんともお別れです