北陸の峠道
菅の坂
’04年3月17日に尼公峠に登ったとき、ついでに菅坂もと思ったが、もう少しのところで諦めた。 最近
私のこの記録を見られた地元の渡辺さんという方からメールを頂いた。この方が6月半ばに若い人達に頼
まれて、昔の菅の坂をふもとから一緒に歩くことになったとのこと。 しかし、昔の道は急な斜面にあったた
め、林道が上に出来たこともあって、すでに辿れない状態になっていたとのことでした。
林道からはすぐだ
そうで、目印も教えて頂いたので、梅雨の合間に訪れることになった。
おおい町から府県境の手前へ、左へ林道妻谷尾線へ入る。雨の後は岩屑が沢山路上に崩れ落ちてい
る。目印がなかなか目につかない。 行過ぎて戻ってきたらトラテープがあって踏み跡が斜めに上がっている
処を見つけた。向かい側に大きな樹が立っている。 これは後で判ったことなのだが、この先5・60mの所に
黄色いテープがあって、そこが峠道の末端に取り付く処だ。 しかし、すごい急な崖みたいなところで、テープ
が無かったら気ガ付く人はいないだろう。もともと急な斜面に林道を造ったのでこういうことになるのだろう。

急だが此処から取り付くと峠道の末端に出会うことが出来る
私が取り付いた所からは、急な斜面を潅木に掴まって登ることになる。鹿の糞だらけで、踏み跡と思うのは
獣道みたいだ。ついに峠道に出ることなく尾根に載ってしまった。尾根を左に辿るとすぐに峠に着いた。
まず
目に入ったのはうつ伏せになって半分枯れ葉に埋まっているお地蔵さんだった。

菅の峠とお地蔵さん お地蔵さんは濡れそぼっている

濡れてへばりついた落ち葉を取り除いて元の場所に戻すが、どうも窮屈そうだ。もともとのお家ではないらし
い。そこからは峠道らしい掘れた道が下っていた。綾部側は下草が無く、まだ木々の緑が綺麗で雰囲気がいい。

鳩ケ峰の三角点
折角尾根上にいるのだからと、少し西の鳩ケ峰(574.3m)まで行って、三角点でも撫でてくることにする。
雨上がりの尾根は樹や草の水滴でびしょ濡れになった。峠から往復40分ほどだった。 峠からの下りはつづら
折りだが多少荒れている。でもやはり楽だ。すぐに下に林道が見えるところへ降りてきてしまう。そこで急な所
を避けて、斜面を横に移動して取り付いたところへ戻ったのだ。今日はお地蔵さんが拝めて満足したのである。
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今日はもう一つ予定していたことがあった。「尼公峠」のページへの追記にも書いたが、この渡辺さんが彫ら
れた不動様をもう一度見に行くことだ。 そして、若いときから炭焼きをされ、炭俵を担いでこの周辺の峠道を
歩かれた渡辺さんにお会いしてお話を聞くことだった。

今回も上手く撮れなかったが「この谷の この土を喰い この風に吹かれて 生きたい」と刻まれている
ズボンがびしょ濡れなので、お不動さんの前の広場でエアコンを入れて温風にして
ゆっくりと食事をして乾
かした。お家の周囲の草刈をされていた渡辺さんは、私の無知にもよるが、全く思いもかけない方だったので
ある。 沢山お話をお聞きして、渡辺さんの書かれた素敵な本を2冊も署名をされて戴いたのだ。話が長くなる
ので、渡辺さんについてはまた別のところで触れることにしたいと思います。
(’07年 7月 1日)
2万5千分の1地図「高浜」「東舞鶴」
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)
を使用したものである。(承認番号 平17総使、第657号)」下図は2万5千分の1の縮尺ではありません。
林道上の軌跡は車で走った部分で乱れています 黄色の三角が菅の坂の峠 黒い三角は峠道が林道で
切れている所 林道からここへ取り付くのが正しい 私は軌跡が太くなっている所から取り付いて直接尾根
に載りました 下りは峠道を下り最後は斜面を横に移動して元へ戻りました 002地点は鳩ケ峰
