隠れ家とその周辺点描



能登国三十三観音巡り(第3・4札所)

4月29日(日)快晴。 今日も隠れ家には客人があって、快晴なのに何処へも出られずだったが、午後2時
を過ぎて客人も帰り、出掛けられることになった。ほんとは宝達山にでも歩いて登りたかったのだが、時間も
時間なので、まだ行った事のない七尾の北東の端の観音崎の方へドライブすることにした。 なかなか何か
目当てがないと行かないところだが、一応 能登国三十三観音の内の第4番札所を訪ねてみようと思った。
そして、これもまだ行ったことのない能登島の東端のF目(えのめ)町にある第3番札所・F目嶽の宮までド
ライブして能登島を一周することにした。
北國新聞社刊「能登国三十三観音のたび」と簡単な地図を持って出掛ける。いずれの札所のいわれや来歴
は、この本に載っていることしか判りませんので、興味のある方はこの本を読んで下さい。

第四番の一・椿森観音堂

車のナビは古い。それでもああだこうだと言いながら、県道246号線の海岸沿いの道へ入ると、急に車が
少なくなり、火力発電所などがあって道路は立派だ。やがて山手へ坂を登って緩く下る途中 右側に白い標柱
を見つける。「椿林寺」とあり、椿森観音堂へ通じている農道の入口だ。椿林寺は札所名だ。現在この道は工
事のため鉄板等が敷きつめられていた。
鉄板が終わると雑草の道となる。まもなくその雑草の道も細い畦道となる。観音堂まで700m程と判って
いるのでいいのだが、それでも心細くなるような道なのだ。湿地を通ると杉の植林が出っ張っていて、それに
沿って数十m進むと、右へ杉林の中に明瞭な道があった。曲がり角には一升瓶が逆さに突き刺さっていた。


上:中程右の低い杉林の中に道がある     下:自然林の中の椿森観音堂


林の中を登るように進むと突き当たりにお堂があった。自然のままの森の中でお堂には落ち葉が積もって
いる。県道が今みたいに立派でなかった昔は、ここまで来るのは難しかったのかも知れない。それで鹿渡島
観音堂に札を納める人が多くなり、同じ四番札所が二つ出来たとのことだ。 たまには私みたいに本を見て
訪れる人もいることだろう。

第四番の二・鹿渡島観音堂

県道246号線をさらに下るとT字路になり左へ。すぐに法広寺があり、ここが椿森観音堂を管理している
とのこと。さらに進んで、集落の中の細い道を行くと漁港に出る。そこを右へ進むとトイレのある駐車場があり
鹿渡島観音堂は目と鼻の先だ。観音崎灯台160mとある。


上:鹿渡島          下:観音堂


鹿渡島は石積みの道で繋がっている。静かな海が拡がり、沢山の白い海鳥が岩場で羽根を休めている。
のんびりとした気分にさせてくれる処だ。観音堂には裸電球が灯っていて、引き戸は開けられて中を覗くこと
が出来る。加賀藩家老・本多正敏の揮毫と云う「鹿渡嶌観音」の額があった。
観音崎灯台からも観音堂がすぐ下に見下ろすことが出来る。晴れていて空気が澄んでいれば、立山連峰
の絶景が眺められるはずなのだが今日は残念という感じだ。観音崎灯台というと、小学生の時遠足で行った
湘南のそれを想い出して懐かしい。駐車場には一台二台と車がやって来ていた。


観音崎灯台

第三番・F目嶽の宮

能登島へは孫達と水族館へ行ったことがある。その時かどうか忘れたが、ガラス工房へも行ったような気
がしている。しかし、そこから東へは行ったことがないので今回は良い機会だ。道は限られているので、田圃
の中を走りトンネルを抜けたりすると海岸沿いに出て、F目の集落に入り、勝尾崎口のバス停で海側へ曲が
れば大きな石の鳥居がある。見上げると青空を背に立派な嶽神社が立っている。左下はF目漁港だ。


F目嶽の宮

この神社には、築造に関する記録などと共にさまざまな伝承もあって、人々と多くの関わりを持って今に
至っていることが伺える。前二つの観音堂に較べると、立派過ぎて趣には欠けるのだが。
多くの民宿のある通りを走り抜けて能登島の北側の道を行くと、最後は初めて渡るツインブリッジのとへ。
中島側へ渡った処が公園になっていて、記念写真を撮る良いスポットだ。


ツインブリッジのと  中島側の長浦ふれあい公園から

(’07年 4月 29日)

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