北陸の峠道
大尾峠・杉尾峠・高清水山
今回の目的地は杉尾峠なので、私一人なら城端の細野集落の峠道の始まりから登るところなのだが
今日はカミさんと一緒、峠往復では変化が無さ過ぎて、カミさんが退屈するかも知れない。そこで峠道
の半分程の所を横切る林道から登ることにする。そして、峠から高清水山を経て縄ケ池へ下り、林道
を歩いて車へ戻ることにした。
この杉尾峠は細野集落から平村の祖山を結んだ道の峠で、砺波平野と五箇山を結んだいくつかの道
の一つだ。峠には「旧五箇山街道杉尾峠旧道」の標柱が立っている。標高は1080m程だ。
杉尾峠への登り口 車の後ろの方に細野へ降りる道がある
林道を走っていると「新山峠」登り口という処があった。杉尾峠の登り口には車が3台ばかり停まって
いて、二人のおじさんが準備をして登って行くところだった。峠道は歩きやすく、初めの内はルンルン
気分といった感じで、やっぱり峠道はいいなあ等と思いながら歩いたのだ。しかし、上の方へ登って行
くと、だんだんと険しくなってくる。そして、半分近くのところで文字の剥げた標柱があった。
判ったのは「左大尾峠」という文字で、そちらへ歩くのが自然という感じだ。「大尾峠」は杉尾峠の別の
呼び方かもと都合のよい様に考えて進む。そこを曲がるといっても急な斜面で送電線の巡視路みたい
に思われたのだ。沢を渉ったり急登が続いたりと、峠歩きというより山登りそのものだ。その内に次々
と送電線の鉄塔が現れて、これは杉尾峠には向かっていないと判る。どっちみち稜線に出るのでその
まま登り続ける。
大尾峠
大尾峠へ出る。標高は1020m程。鉄塔のところで明るく切り開かれている。標柱があるのだが、残念
ながら先程の物もそうだが、字がペロリと剥がれて肝心なところがよく判らない。右は杉尾峠と判る。左
は新山峠だろう。杉尾峠へは1110.5mの三角点のあるピークを一つ越える。巻き道もあるのだが危
ない道で引き返してピークを越えることにした。尾根には昔歩かれたであろういくつもの峠の名残が見ら
れた。
杉尾峠 石仏も見当たらなかったしあまり情緒もない
杉尾峠には12時少し前に着いたので、ビールを飲みながらコンビニのとろろ蕎麦を食べる。いつも思う
のだが、山ではこれがなかなかいい。峠の石仏の前で食べたかったのだが、石仏は見当たらなかった。
祖山側には明瞭な道が下っていたが、登ってくるはずだった細野側は、杉が倒れていてその先は見通
せなかった。見回すと沢山の杉が折れたりして無惨な姿をさらしていた。
***あとでホームページを見ていたら、杉尾峠には3体の石仏があるのだという。その内の
1体の写真も載っていた。そうと判っていたら、その辺りを探したのだが残念だった。***
その倒れている杉を除けながら高清水山へ向かう。歩きやすい道が続いていて「明神峠」と判読出来る
標柱に出会う。蓑谷側のみ道があるみたいだった。 1115mのピークを越えると少し下り、雪があったり
して道が判りにくい所があった。やがて尖った岩の上に出る。高清水山の山頂は、その少し先で、片側
が見通せる休むには良い処だ。
高清水山からは、小さいピークを越えると下るのみでやがて林道へ出る。高清水山登山口の標柱がある。
その反対側に細い道が縄ケ池へと下っている。この道は細いが、杉の巨木が何本もあったり、両側がすご
い崖の痩せ尾根を歩いたり、縄ケ池を見下ろせたりと変化に富んだ道だった。途中、道の両側の雑草を刈
り払っている6・7人の方々に出会った。ご苦労さんなことだ。このおじさんに「大尾峠」は「おうお峠」と読
むことを教わる。今日は高清水山で恥を掻いた。高しょうず山と読むのだ。
痩せ尾根から見下ろす
縄ケ池の水芭蕉はもう遅かったが、道端に座禅草を幾つか見つけた。池の東側の整備された遊歩道を
林道目指して歩くことにした。池が終わる処に「旧道・蓑谷へ至る」の標識があり、そこからは雪解けの後
全く人手が入ってないので、倒木などで荒れた道だ。一カ所だけ土砂に覆われた緩い斜面で道が判りづ
らい所があった以外は迷うことはなかった。
最後、崖を下る感じで舗装された林道に降り立つ。小さな標識があって、「旧縄ケ池道」とあった。林道を
40分程歩いて車に戻った。9時半から登り始め、戻ったときは4時になろうとしていた。今日は思った通り
の変化に富んだ道を歩くことができて満足の一日だった。
「旧縄ケ池道」と書かれた標柱 急な斜面だった。
(’06年6月4日)
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)
及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。 (承認番号 平17総使、第657号) 」
カシミール3Dにより作成しました。上図の経緯度線は日本測地系で表示されています。
2万5千分の1地図「下梨」 001から歩き始めて杉尾峠への道から外れる処までの間、軌跡が乱れています。
002大尾峠、003三角点1110.5m、004杉尾峠、005明神峠、
006尖った岩、 007高清水山の標柱がある処、
008林道 高清水山登山口の標柱あり、009旧縄ケ池道入り口、009から001まで舗装された林道を歩く