北陸の峠道


八乙女峠・栃原峠

この二つの峠は、共に井波と利賀を結んだ道にあった峠で、今の地図には峠道は載っていないので
現在では昔の道を歩くことは出来ないと思われる。八乙女山一帯は泰澄大師にまつわる風穴もあり、
戦国時代のものといわれる砦跡もあって、峠道も重要な役割を果たしていたのだと思われる。

初めの予定は、閑乗寺公園から尾根の遊歩道を登って八乙女峠へ行くつもりだったが、小雨がぱらつ
いたりしていたので、カミさんも一緒のことだし、車で八乙女峠まで登った。これで1時間半以上は掛か
るところが20分で着いたので時間が余ることになった。 それで大寺山の下の展望広場と云われる処ま
で行ってみようということになった。全部造林のための作業道を歩くことになる。


八乙女峠  向こう側は小牧ダム湖が見下ろせる  左尾根からの道は閑乗寺公園からくる遊歩道

八乙女峠の石仏

八乙女峠(690m程)は、舗装された道が越えていて、あづま屋や駐車場があり、閑乗寺公園からの
遊歩道が尾根から降りて来ている。近くに眺望の素晴らしいハンググライダーの離脱場もあり、ドライブ
にも良いところだ。

栃原峠に向けて作業道を歩き出すと、カミさんがすぐにタラの芽を見つけた。 「八乙女山頂の砦跡と大
杉」という説明看板の傍から三角点(751.8m)に寄る。 山頂(756m)は道の反対側で、作業道が
この先直角に右に曲がる処を左に入ると堀切がありロープが付いている。そこから戻るように山頂へ行
けると思われる。 八乙女峠からも笹に覆われた旧道が見られた。今回事前によく調べてなかったので
残念ながら山頂には寄らなかった。


風神堂と風穴

先に進むと、史跡「八乙女山の鶏塚と風穴」がある。いわれが記された看板があり、風神堂の下に穴が
あり、鳥居も建てられている。 鶏塚はただのこんもりとした丘のことか、よく判らない。 さらに先に進むと
栃原峠(723m)に到達する。


       上:栃原峠の杉木立と石碑       下:頭部の欠け落ちた石仏 上の写真の右枠外にある


太い杉の樹が何本もあって遠くからもそれと判るらしい。立派な石碑や方位盤の様なものが設置されて
いた。私は利賀の方へ緩く下っていく踏み跡の始まる辺りに、頭部が欠け落ちた石仏があって、峠には
これだけで十分なような気がしたのだ。その踏み跡はすぐに薮に包まれてしまうのだが、この峠は作業
 道が造られたとき、土盛りされて少し高くなっているとあるので、踏み跡が昔のものかどうかは判らない。
いずれにしても、利賀側・井波側の両斜面には、所々に峠道の踏み跡が薮に包まれて眠っていること
だろう。


展望広場から散居村を見下ろす。   閑乗寺からここまで、見下ろせる景色はいつもこの散居村だった。

そこから30分近く歩いて、大寺山の少し下の展望広場といわれる処(何も標識はないが)まで行って
食事をして戻ることにした。案外とタラの芽が沢山採れた往復3時間半のゆっくりまったりの峠散策を
楽しむことが出来た。

(’06年5月30日)


 「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)
及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。  (承認番号 平17総使、第657号) 」


カシミール3Dにより作成しました。上図の経緯度線は日本測地系で表示されています。
2万5千分の1地図「城端」 上図は古いらしく平成12年修正版には歩いた作業道がすべて記載されている。  
001八乙女峠、002八乙女山三角点、003風穴、004栃原峠、005展望広場

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横に落ちていた頭部を載せてみました 割と最近欠け落ちた様子だ