隠れ家周辺点描


阿岸本誓寺

富来の世界一長いベンチの処は道の駅になっているが、さらに門前へ向かうと次ぎの道の駅は「赤神」
 だ。その手前のトンネルが現在工事中で迂回路を廻るため、もうしばらく道の駅「赤神」はお休みらしい。
トイレや自動販売機は使えた。赤神から少し行くと案内があって右へ曲がる。1kmも行かない右手に、
山を背に茅葺きの大屋根が見える。これが能登阿岸 新巻山本誓寺(真宗大谷派)だ。



 茅葺きの本堂は13間(23.4m)四方もあり、茅葺きの堂としては全国で3指に数えられる規模だという。
石川県指定有形文化財(建造物)だ。何人かの参詣客がいたが、これだけの茅を集めるのは大変だろう
なと云っていたが、いずれにしても痛んだ所を部分的に直していくのだろう。

あちこちうろついて写真を撮っていたら、プロの方々がビデオの撮影をされていたし、観光タクシーで年輩
の方々が乗り付けて、早速本堂を背にして並んで運転手さんに記念写真を撮って貰っていた。 鐘楼の
傍に県指定天然記念物のアギシコギクザクラ(学名)が枝を広げていた。花弁が百枚前後もあるので、綿
の様に白い花を見せるらしい。ちょうど今頃咲き始めるはずなのだが。


左の樹がアギシコギクザクラ

通称阿岸本誓寺は、文永5年(1268)に現在地とは別のところに創られたが、天正14年(1586)に現
在地に移転したとある。今の本堂は、寛政4年(1792)に13年がかりで改築されて、現在の様な豪壮な
建物になったのだという。

このお寺は730有余年 連綿と続いて来た世襲のお寺で、現在は第28代か29代目になるのではないか
 と思われる。近世、鳳至郡百六カ寺の触頭(ふれがしら)をつとめた県下有数の真宗大谷派寺院なのです。

(’06年4月25日)


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上の写真:手前の瓦葺きの建物は納骨堂         下の写真:本堂を裏から見る