福井の小さな山歩記
湯谷山
湯谷山(1275.9m)は、2万5千分の1地図「越前勝山」で、一番右端の下から7.5cmの処にある。
多分雪がある時しか登らない山だろう。今回登山用品のお店の方に誘われて連れていって貰ったのだ
が、だいぶ皆さんの足を引っ張ることになり恐縮している。
朝、5時45分頃福井を出発して、勝山から大野へ入る橋の手前で西の空に、とても大きな明るい満月が
沈もうとしていた。 そして下山して大野の蓑道の集落から大野市街に向かう時、東の空にこれまた神々
しいばかりの満月が昇っていたのである。これは一日中素晴らしい天気だったということと共に、ずいぶん
と永いこと山に滞在していたことを意味している。
今回はベテランの女性の案内で、蓑道の集落の最奥の林道の始まる処に車を置いて、湯の谷川沿いの
雪の林道を歩きだした。1.1km程で堰堤の手前の橋を渡る。そして林道から斜面に取り付き、林道を2
回ばかり横切り、多分773mから974m地点を通って湯谷山から南へ伸びている尾根に載った。
974m地点と思われる処から これから歩く尾根を眺める 湯谷山は左端か
凄い急斜面を登っていくので、景色も素晴らしいが登ってきた下を見てびっくりしてしまう。こんなところを
戻る気はしない。二人の方が交代でラッセルして頂き、後ろをついて行くのは楽だったが、やがて緩やか
な尾根上となると、皆さんの脚は速くて私は追いついて行けず、ひとりずっと遅れて踏み跡を辿る。
今日はスノシューでやって来たのだが、アイゼンみたいなアダプターは登りは良かったが尾根上では雪が
団子状についてしまい途中で外した。急に軽くなった感じになったが、この時すでに両太ももがこむら返り
を起こしたりして、なかなか先が思いやられる状況だった。
皆さんは頂上まで5時間半掛かったというのだが、私が頂上に到着したときには下の写真のように食事の
準備が進んでいたので、私は6時間近く掛かったのではと思われるのだ。
天気は文句ないので、すぐ傍に経が岳が、おなじみの白山、荒島岳が澄みわたって霞みひとつ無く
くっきり
と眺められた。窪みにいると暖かいが出ると風があってとても寒い。トンチャンやら
肉団子入りチゲ、それに
おしるこ等を御馳走になり、私は持ってきた200mlの日本酒を飲んだが全然飲んだ気がしない。
頂上から経が岳 左端は杓子岳と思われる
2時半頃に頂上を後にした。下りのルートは頂上三角点から北へ100mの辺りから左へ急な尾根を下った
あと、湯の谷川の左側を通る尾根を下る。 1131m地点から 864m地点を通り、池の様な平な処に出て、
また少し登ったので703mの三角点の傍を通ったのかも知れない。
すぐに急な下りで私はスノーシューでの下りは慣れておらず危なっかしいし時間もくう。そこでカンジキの人
と交換して貰った。それでも私は遅いのだが、細い尾根のセッピの上や下を回り込むなど危険な個所もある
ので 一人取り残される様なことはない。だけど素晴らしい景色があっても写真を撮る余裕がない。歩くのが
遅いのに立ち止まって写真を撮るなどということは許されない。 とにかく一生懸命に歩いてはいるのだが。
下り 右端からぐるっと廻って来た 肉眼では左の尾根には我々の足跡が線となって見えていた
4時半頃うちのカミさんから携帯へ電話だ。いつもなら家に向かっている車の中だが、まだ狭い尾根のセッピ
の上なのだ。そのうちに太陽が沈むところを見る。 下りに下ってどうやら林道らしい平地に降りた頃、キャップ
ランプが必要になった。 何処を歩いているのかさっぱり判らなかったが、やがて灯りが見えてきて、ひょっこり
集落に出たら、そこが車を置いた処のすぐ近くだったのだ。6時半になっていた。4時間も掛かったことになる。
終わり良ければみんな良しなのではあるが、少なくとも下りでは私がだいぶ皆さんの足を引っ張ってしまった
ようだ。下りに私のスノーシューとカンジキを交換して頂いた方がころげるたびに申し訳ないという思いにから
れたのである。
(’06年2月13日)
2万5千分の1地図「越前勝山」「荒島岳」「願教寺山」
今回GPSの軌跡は操作ミスのため残念ですが録れませんでした。
どっちみち私のGPSでは10時間も記録できませんが、下りの軌跡
だけでも欲しいところでした。
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