還暦つれづれ草


ワラビと松露

能登のあばら家で過ごすのは この季節が一番良い様です。朝はうぐいすの鳴き声で目を覚まし、
山菜は取り放題と云う感じで、カミサンは朝早くから出かけて行きます。一日に何回もワラビで重く
なった袋をぶら下げて戻ってきます。



昨日、あばら家で泊まるときに時々行く飲み屋のママさんに、ワラビの味噌漬を食べさせて貰い、
それがなかなか美味しかったので、さっそく採ってきたワラビで作っていました。ワラビを友達に配
るときに、この味噌漬も配りたいと張り切っています。

私はと云うと、腐ったサンデッキの修理や、昨年の台風で破れた網戸の張替え、周囲の笹薮の刈
り取りです。この刈り取りはなかなか大変で、腰が痛くなって立ち上がるのが困難なときもある程
です。春は、親類縁者が山菜採りで泊まりに来るので、家の中も綺麗に掃除をしたり布団を干した
りと仕事はいくらでもあるのです。 家の中を、コウロギみたいな虫が、ぴょんぴょん飛び回ることの
ないよう、見つけ次第掃除機で吸い取らねばなりません。



でも、仕事がひと段落したとき、修理したサンデッキの木のテーブルに座って、春の日差しの下で
お茶を飲んで休憩しているときの気分は最高です。 相変わらずうぐいすが鳴いていますし、横の
木蓮は満開近くてちょうど見頃という感じです。周囲のコシアブラも、あと一日か二日で芽を摘めそ
うです。ほんとに綺麗な緑の芽なので摘むのが申し訳ないような気持ちになります。

そうそう、昨日の飲み屋で生まれて初めて「松露」(しょうろ)というものを見せて貰いました。ムカゴ
の大きいような感じで、掴むと柔らかい感触です。ちょっと砂地の成長期の若い松の木の下に転が
っているそうで、松の菌で出来る茸の様な物なのかも知れません。昔はほんとにごろごろと沢山あ
ったそうですが、今は珍しいものになってきたと言います。火を通すとしゃきしゃき感のある歯ざわり
になるそうですが、それにしても「松露」 松の露とは洒落た名前ですね。

美味しいお酒が飲めて勉強にもなった楽しい夜でした。

('05年4月23日})

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