福井の小さな山歩記


大辻山 (富山県)

梅雨の中だが、今日は雨は降らないだろうということで出掛けることになった。他にもいろいろと出掛ける
理由があって、軽いところでということで富山県の大辻山(1361m)へ登ることにした。 しかし、立山 I.C
から右に成願寺川が望める所へ来ても、向かう山並みは、すっぽりと雲に覆われて、どうやらガスの中を
歩くことになりそうだ。


長尾峠の長尾山登山口 駐車スペースと簡易トイレあり

芦峅寺地区の雄山神社の所を国立立山少年自然の家の方へ曲がり、8km程で長尾峠に着く。別に峠
の標識はないが、駐車スペースがあり、とても臭気の強い簡易トイレが置いてあり、低い位置に長尾山
登山口の標識がある。

 
 長尾山山頂                                   奧長尾山山頂

9時半に歩き出した。最初のうちは、露を載せた草木の葉っぱが両脇から迫っていて服が濡れる。穏やか
な登りですぐに長尾山(1001m)の山頂に着く。そこから少し下ると大辻山登山口からの道が上がってく
る。そこから登りとなって奧長尾山(1025m)へ。ブナなどが目につく尾根歩きとなる。しかし、登山道は
木の根が露出している処が多い。人気の山で登山者が多く、表土が削り取られてしまったのだろう。


ブナ平と呼ばれている処

白っぽい木肌が特徴的な樹木が林立する処がある。ダケカンバとかウダイカンバとかいう種類らしい。シラ
カンバしか知らないのだ。そこを過ぎるとすぐに、展望のために切り開いたと思われる処に出る。広場の真
ん中に3本に分かれた木が立っている。ガスの切れ目から下界が望まれた。
少し急な登りがあってブナの林になる。ガスは木々の間までは入り込まず、明るく 時折木漏れ日が落ちた
する。ただ、セミの鳴き声だけはすさまじく 熊ベルの音もかき消されそうだ。森全体が騒音に包まれている
様だ。


大辻山 山頂

たんたんと歩くという感じで2時間で大辻山の山頂に到着。弥陀ヶ原と称名滝の展望台と云われている山
頂だが、全く何も見えない。しかし、山頂はまぶしく、もわっとして暑い。ガスが吹き寄せると少し涼しくなる。
汗だくのシャツを着替えて、さっぱりしたところでビールで乾杯。コンビニのトロロ蕎麦を食べた。
こんな日に登る物好きな人間は我々だけかと思ったら、女性が1人登って来た。称名滝へ行こうとしたら
通行止めだったそうだ。富山の方なので、この辺の山のことは詳しいのだろう。タバコを一本吸って下って
行かれた。



手の届く処で突然セミが鳴きだした。透き通った羽根の普通の大きさのセミだが、けたたましくうるさい。

同じ道を辿り、最後は本道登山口と呼ばれる大辻山登山口へ降りた。分岐点からはすぐだった。しかし 車
は長尾山登山口なので、車まで10分近く林道を歩かねばならない。ガイドブックには下りは1時間10分
位とあるが、我々は膝をかばいながらなので1時間30分程かかった。


大辻山登山口 この付近にも駐車できる

その昔、芦峅寺から来拝山・大辻山を通り、大日岳を目指す修験道があったのだという。山伏が駆け抜け
た尾根道も、今は小中学生の自然を学ぶ場となっている。間違えようがない踏み込まれた道なのに やた
らピンクのリボンが目に付く。迷いそうなところだけにして貰いたいものだ。

('05年7月8日)
2万5千分の1地図 「大岩」「小見」
HOMEPAGEへ            福井の小さな山歩記の目次へ


いまのところ元気です