還暦つれづれ草
人間万事・・・・
前回登山靴のことを書いたが引き続き山の道具の話になってしまった。雪山に連れて行って貰う
ことにしたが、最初は装備でお金が掛かる。スパッツは持っているか、カンジキは、ピッケルはど
うかと言われたのだ。防水の靴は購入したが、カンジキは買わずにスノーシューで行くかで迷う。
あまり急なところでは自信がないし、前にも書いたが何人かで歩く時に一人だけスノーシューと
いうのもどうかなと考える。だけどかみさんと二人で行くときには難しいところへは行かないとして
私カンジキ、かみさんスノーシューと云うことになるのでやはりカンジキを買わなければなるまい。
それにアイゼン、ピッケルも要る。かみさんに言わせると、山歩きもせいぜいあと5年くらいだから
今買って5年使えればそれで良いのではないかと言う。買わないであとで後悔するよりも今買って
使った方が良いというのだ。それもそうだがあと5年か!? それを聞いたら急に何か寂しいと云うか
力が抜けてため息が出るみたいな気分になってしまった。
そう言えば、せっせと山歩きをするようになって3年だが、60歳からなのがちょっと遅すぎたかな
とも思える。少し残念なような気もしないではない。でも山を歩くようになって多くの自然に触れら
れる様になったのは、あの脳梗塞のおかげと云うことも言えるのである。
それに毎週のように山や峠を歩くようになってから、変形性膝関節症の痛みも気にならなくなった。
それまでは毎日のように電気マッサージに通っていたのだから、あの治療はいったいなんだったの
かと思ってしまう。
人間万事塞翁が馬と云うことなのだろうか。だとすると、山の中で熊と鉢合わせして引っ掻かれる
とか、登山中に崖から転落してぽっくり等ということもあり得るわけだから、健康になったと喜んで
ばかりはいられないと云うことなのだろう。
「人間万事塞翁が馬」、私がこの言葉の意味をきちんと知ったのはごく最近のことなのである。
(2月22日)