福井の小さな山歩記

権現山(1999・8・17)


この年になっても、お盆というのは8月の何日を指すのかよく知らない。会社が
お盆休みと云うから、その辺がお盆かなという感じなのである。で、その休みの
最後の日、やっと朝から快晴となった。暑そうなのだ。真夏に低い山 は暑さに
注意しなければならないが、どうやら権現山は木陰を歩くらしい。

今立町は小次郎公園の少し先、柳の滝が目印だ。しかし、今立町役場へ飛び
込んでトイレを借りた関係で、そこの交差点の小次郎公園の矢印に従って向かっ
たつもりが違う道を走ってしまい、30分以上迷ってしまった。


(布滝)
10時5分前に歩き始める。駐車場には私の車だけだった。次々と滝が現れる。
不動の滝から夫婦滝まで5つある のだが、低い山の小さい滝は、水しぶきが涼
しいという訳にはいかない。なにせすごい汗となって、普通でも遅い足取りがさら
に遅くなる。こういう時は一人なので気が楽だが、頭が熱くなりすぎてはと思い,
帽子を脱いだりした。もう少しで頂上と思われる所でたまらず立ち止まって、500
mlのペットボトルの残り3分の1を飲みほして休んだのだ。

11時35分頃、松ガ嶽神社のある山頂に着く。565mと書かれた小さな板きれ
が神社の柱にぶら下がっていた。珍しく吊り鐘があったので叩いてみたら、あん
まり大きな音がしたのでびっくりした。頂上は見晴らしは良くなくて、展望台の方
が頂上みたいな感じがする。 展望台を往復するのに30分ばかり掛かった。石
碑があるだけの草はらで日陰が無い。写真だけは撮った。


(頂上の神社)
気分も落ち着いたので、携帯電話でかみさんに無事頂上に着いたと連絡を入れ
る。この暑いときに物好きなといわんばかりの雰囲気が伝わってくる。そのすぐ後
、また物好きな女性が二人登って来た。親子らしかった。

昼食の後、お互いに写真を撮りあってから、私は先に表参道を下った。急な下り
で、滑るし、こういう道は苦手だ。だけど、みんみん蝉のせみしぐれは耳に心地良
いし、足下の草の間から十数回もセミが飛び出してきたり、顔や胸にぶつかって
来たこともあった。今年はセミが多いと思う。まむしみたいなのもいたけど。

驚いたことに、先ほどの二人の女性が私が下へ着く前に追い抜いて行ったので
ある。そして、下へ降りて駐車場へ行くとき、ほんの少し遠回りをしたことにだい
ぶこだわっていたみたいだった。なんでそんなに急ぐのかは判らないが、下の道
は歩きやすいし私などわざと遠回りをしたいような、そんな気分なのだ。まだ午後
2時だし、綺麗な水があったらコーヒーでも沸かして、ゆっくり蝉時雨の中で休ん
でいたい。
しかし、これから今立の街中へ寄って、うまいおろしそばを食べるには、少し
中途半端な時間になってしまった。。


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