福井の小さな山歩記


高尾山・吉次山

今日の目的の山は、富山・石川県境の順尾(ずんのお)山・大倉山だったのだが、細い林道順尾線を
車で上って行くと、上の方からダンプカーが降りてきて、この先道路が崩壊していて通行出来ないと云う。
歩いても通れないとのことで、諦めて湯涌温泉から入る高尾山(841m)・吉次山(800.1m)をぐるっと
廻ってくることにした。おかげで軽く歩いて能登へ行くつもりが、長い林道歩きがおまけについたのだった。


林道終点の前高尾山登山口

湯涌温泉のバス停の所から右手の坂を上って行くと、休園中の江戸村があり、そこを右へ林道をしばらく
進むと、右下から舗装道路が上がって来ている。そこからすぐに大きな駐車場があって車を置いた。頂上
を往復する人は、もう少し先の林道終点の登山口まで車で行ける。

これは帰りに判ったことだが、周回コースの場合、右下へ舗装道路を下ると白見谷の底のヘアピンカーブ
の処に登り口があり、その辺りに車を置いて歩くと、少しは舗装道路を歩く距離を短くすることが出来る。


前高尾山頂の観音様 千手観音か?

10時に駐車場を後にする。登山口まで15分、登山口から1時間10分で前高尾山(763.1m)に到着。
三角点と観音様が置かれている。今日は快晴とまではいかないが、雨の心配はなさそうだ。しかし、無風
状態で歩くと暑く、ぐっしょりと汗まみれになる。V字型に深く掘れたジグザグ道が続く登りなので、余計に
風通しが悪い。でも、前高尾山のベンチで医王山や金沢の町を眺めながら休んでいると、風がなくても涼
しい。やはり季節は確実に移っていると感じる。そして奧高尾山へと向かう。


奧高尾山から前高尾山を望む 後ろは医王山

奧高尾山(841m)は、順尾山への分岐点の処が広くなっていて、前高尾山を眺めながらコンビニのおろし
蕎麦でビールを飲んで昼食とした。そこからすぐ先を右へ曲がった処に標柱があり、ここが奧高尾山の頂上
だったのかも知れない。何も気にせずに通り過ぎて行くと、しばらく快適なブナ林の中となる。



日尾池への緩い下りは、灌木の間のむさ苦しいという感じの道でどこをどう歩いているのか判らない。日尾池
も淵まで下りて行く気にもならず、そのまま吉次山へ向かう。これも後で判ったことだが、ミツガシワの群生地
があるらしい。 そう云えば池の手前にハッキリとした道が分かれている処があったが、そこを入ったところが
ミツガシワのある湿地だと思う。

吉次山の手前で左側に展望が広がる処があったが、生憎白山は雲の中みたいだった。ごつごつとしたいろ
いろな形のブナが目に付くようになると吉次山の山頂に着く。三角点は少し先にある。


吉次山 山頂

吉次山から林道へは素直な下りかと思ったら、まだ小さなピークがあって、林道近くは何かあまり人が通ら
ない様な感じの道だった。林道に下りた処の採掘場跡は、今日一番の展望のある気持の良い処だった。

今日の山道はクモの巣に悩まされたが、林道もぼけっとしているとクモの巣が張っている。最初の40分ばか
りは石ころがゴロゴロした歩きにくい道だ。後半は舗装された歩きやすい道となり、1時間40分ばかり林道を
歩いて4時20分に車に辿り着いた。もう温泉街にある夢二館に寄る気にもならず、そのまま能登へ向かった。
竹下夢二はここ湯涌温泉で、最愛の女性・笠井彦乃と幸せなひとときを過ごしたのだという。

('05年9月16日)



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