還暦つれづれ草


形あるものは壊れる


15年振りの雪で屋根の雪下ろしをしないとダメかななどと道路からわが家をしげしげと眺めて
いたら、なんとわが家のあちこちが壊れかけているのを発見してしまったのである。

わが家は築20年以上のプレハブで、木の板で出来たパネルを組んで、その上から塗料を厚く
塗った様な感じのスタッコ仕上げという白壁の家だ。白壁は汚れが目立つので、今まで2回程
水洗いして白い塗料の吹き付けをしたのだが、一回やると100万円程も掛かってしまう。

しかし、今回はスタッコ仕上げの壁が板から剥がれてきたのだからやっかいだ。壁の上から全
体を新しい素材の壁で覆うのが良いのではと思うのだが、問題は金である。100万円どころで
はないと思われるからである。なにしろ足場を組むだけで何十万円だそうなので、プラス資材と
労賃等々となると気が遠くなる。
この家を建てた頃は、子供と山登りやスキーに行ったもんだなどと昔の想い出にふけっている場
合ではないのである。とりあえず雪が融けたら応急手当をしなければなるまい。

人間の体も年を取るとあちこち傷んでくるが家も同じである。形ある物はいずれ壊れるのだ。人間
も家も、地上のすべての物はやがて土に戻る。最近はなかなか分解しずらくて土に戻りにくい物
もあるみたいだが。
そう云えば、今日私の愛車のエンジンオイルをチェックしたら、棒の先にかすかにオイルが付い
ているかなという状態で、あわててホームセンターへ行ってオイルを買ってきて入れたのである。
18万4千キロも走るとオイルの消費量が多い。何処からか漏れているのだろうか。最近はゴトゴト
と音がしてバネの利き方もよくないみたいだ。いよいよ寿命が近づいてきたのかもしれない。

まあ、いづれにしても私とかみさんが土に戻る時が来るまでは、わが家は頑張って建っていて貰
わなければ困るのである。

(’01・01・27)


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