福井の小さな山歩記
冠山(’00・06・04)
この「福井の小さな山歩記」始まって以来初めての同行者ありなのだ。それもかみさんなので
ある。そして、冠山は2回目だ。19年位前に一家4人で登って以来である。あの頃は林道も舗
装がなくガタガタで、車が谷へ落ちて死者が出た事件があった。その後だった様な気がする。
現在は舗装されて楽だったが、日曜日なので冠山峠は車でいっぱいだった。9時40分に歩き
出したが、歩き出すとすぐに道端の笹藪の中から「今日はぞろぞろと銀座通りみたいに沢山の
人が通るけど上で何か在るんかい」と云う声がした。笹藪に潜り込んで山菜を採っているらしい。
上では何もない。中高年の団体が通り過ぎただけなのだ。
(冠山頂上)
山道はたいしたアップダウンもなく、ぬかるみ以外は申し分ない。麓は緑が濃くなってきたが、
ここはまだ新芽が吹き出したばかりと云う木々が目につく。やがて20人くらいの中高年の団体
に追いついた。賑やかで楽しそうだ。そうこうしているうちに冠平に出て、ちょっとした岩壁を登っ
て冠山(1256.6m)頂上へ。山頂は狭くて満員。周囲にガスが多くて遠くの展望は利かなか
った。久しぶりにかみさんに山頂に立つ勇姿(?)を撮ってもらう。
その内に例の20人位の団体さんがあがってきて押し出されて冠平へ降りる。11時半近くで
昼飯とする。缶ビールを一本づつチーズをつまみに飲む。その後かみさんはコンビニのおにぎり
私は「たべるならジューシー粒あんパン」というやつを一個。そしてバナナは欠かせない。
(冠平)
ざっと見渡すと5・60人位はいるようだ。団体以外は夫婦連れが多いみたいだ。それぞれガス
を使って炒め物やラーメンをつくっていて、暖かいにおいが風に乗ってくる。こちらは食べるだけ
だからものの15分もあれば終わりとなり下山となる。
下りはコシアブラと笹の子を探しながらゆっくりと。子供連れが何組か登ってくるのに出会った。
笹の子を採っている方が多い。ちょうど今がシーズンらしい。それに較べコシアブラは、もう遅い
のか採られた後なのか、これはと云う木は一本だけしかなかったが、歓声をあげてしまった程
の見事な新芽が沢山ついていたのである。
林道を無事下って渓流温泉冠荘で温泉に浸かって帰る。この辺りは静かでいい雰囲気の処で
ある。今立を通過するので、「森六」へ寄っておろしそばを食べる。美味しいが値段もなかなか
なのだ。大盛りが1100円なのである。600円のこもり一杯の注文だと怪訝な顔をされてしまう
みたいだし。
夜、かみさんがゴルフの練習を終えてから、近所の寿司屋へコシアブラを持っていってテンプラ
にして貰う。美味しい。しあわせなひとときである。
(登山口から冠山を望む)