福井の小さな山歩記


猪鼻山に子持ちカツラを探す

この「探す」というのは、私の場合、見つからなくて引き返したと言うことなのである。日本一の子持ちカツラは
ガイドブックでも紹介されたので、沢山の人が訪れて、もう迷うことなく目的地へ行けるのではと期待して来た
のだが。 カミさんも「お父さんが来るくらいだから、沢山の人が登っているわよ」と云うのだ。


見つからず引き上げるときに、雰囲気だけでもと撮ったもの 太い大きな樹が多かった

しかし、子持ちカツラのある場所は知らないのだから赤い布の目印が途絶えたらお終いだ。時間的にはその
近辺に来ているはずなのだが、やはり残雪の時期に来るべきだったか。でも、5月末でもそんなに薮が厳しい
訳でもなく、もう少しうろうろと探せば見つけることが出来ただろう。 カミさんがコシアブラを摘みたがっていて、
何しろ猪鼻山の山頂付近は今が新芽の盛りだった。 それに私としては、一昨日の口三方岳で太ももの筋肉
がひどく痛んで、今日の短い下りでもさらに疲れが重なりそうで、早く降りたかったのだ。


岩屋俣谷園地の頂上と呼ぶ処 猪鼻山へは真っ直ぐに林の中へ分け入る

岩屋俣谷園地の頂上(1200m)と云われる処から猪鼻山(1380.3m)の山頂までは、新しく設置した様な
境界線を示す石柱があったりして道に迷うことはないが、一回だけ赤いリボンに従ったら、急な斜面を灌木に掴
まって腕力で登ることになってしまった。そこを登りきったら、横に下って行く道があったのである。

猪鼻山の三角点に座って、群がるハエを払い除けながら、カミさんと1本のビールを分け合って飲みコンビニの
おろし蕎麦を食べ、家から持ってきたおにぎりを一つずつ食べた。そこからの白山の展望は良いのだが、あいに
く今日はガスでぼんやりとしている。


猪鼻山の三角点 ガスが無ければ向こうに白山や白山釈迦ケ岳が見える 越前禅定道の尾根が見えた

猪鼻山の三角点から先、子持ちカツラの方へは、一応歩きやすいか様子だけでも見に行こうと歩き出したのだ
が、ピンクのリボンが小刻みにあったので、つられてもうそろそろかなと云う処辺りまで進んだ。リボンには子持
ちカツラへ向かうための目印だとは書いてないから、もしかしたら違う方角へ向かっているかも等と思いながら
歩いたのだった。どうせならカツラの樹が見える処まで導いて欲しかったなと思う。

今日は市ノ瀬の永井旅館の横の階段から遊歩道へ入り、市ノ瀬園地の端の市ノ瀬口と呼ばれる処へ降りた。
遊歩道とは云えなかなかの道だった。素晴らしい新緑のブナ林の中を歩いて、ほんとにいい季節だなあと満ち
足りた気分になれたのだ。



('05年5月27日)

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白山展望台 左手に白山の展望が拡がる この辺りにはワラビがあって、カミさんはザックを下ろして採り始めたのだ