福井の小さな山歩記
カミさんと伊吹山
列車で東京へ行く時などは、いつも伊吹山(1377.3m)の特徴のある山容を眺めていたが、やっとの
こと登る機会がやってきた。そんなにメジャーな山でなくても構わないのだが、カミさんと登る時はやはり
登山道がきちんと付いている山を選ぶことになる。
今日は、もう花のシーズンでもなさそうだし、三之宮神社から歩いて汗を流そうという予定で、神社の
そばに車を置いて8時に歩き出した。花の多いことで知られた百名山だしスキー場でもあるので、あち
こち駐車場の看板があって賑やかなところだ。
5合目付近から見る伊吹山 真ん中の鞍部へ向けて道が付いている
杉林を抜けると2合目でゲレンデの最下部に出て、ここからゲレンデの中を歩くことになる。下界が見
下ろせ眺望は良いのだが天気がよくて暑い。ゴンドラの駅がある3合目まで1時間半ばかり、単独の
男性が1人追い抜いて行ったが、さらに1人後ろにいたようだった。ところがゴンドラの駅から次々と山
へ向かう人達が出てきた。5合目の小屋の処で休んだが、見上げると頂上までの斜面に点々と登山
者の姿が見える。
ここで一緒になったおばさんが、ゴンドラが今年の10月か11月で運行を止めてしまうので、それ以後
は下から登らなければならなくなると言う。それなら記念に帰りはゴンドラに乗ることにするか。
7合目付近から
ゲレンデも終わり、斜面をジグザクに登ることになる。急な登りはなくて淡々と歩く感じで高度を上げて
いく。立ち止まれば刈り取り前の田圃が拡がる下界が鮮やかに見渡せ、琵琶湖の対岸の山々もうっ
すらと望める。風がもう少し欲しいところだ。頂上近くになると、登る人降りる人と賑やかになってきた。
山頂 スキー場を見下ろす側で憩う人達
歩き出して3時間半で頂上に到着。金曜日だというのに人の多いことに驚いた。ドライブウエイで来る
人も多いのだろう。頂上で話をした女性の方は、膝が悪いのでバスで登って来たそうで、7月にも訪れ
ていて、その時は花々が沢山咲いていて素敵だったそうだ。今日は景色だけだと言っていた。
一等三角点は大きい 明治18年(1885年)の設置とある
今日は、さすがのカミさんも汗をかいたというから、私は汗をかき過ぎたのか少しボーッとして、ビールを
飲んだら眠くなってしまった。食事中はガスがかかってきて過ごしやすかったが、間もなくそれも晴れて
また暑くなった。花も見るべきものはなさそうで、人も多いし周回コースは歩かずに下山することにした。
頂上直下の登山道
ジグザク道の下りは、地面からの輻射熱がとても熱く感じられた。登る途中で座り込んでしまった女性
がいたが、今日の午後の登りは暑すぎる。私も腕時計の跡が白くくっきりと付いてしまった。しかし、な
んと言っても今日一番暑かったのは帰りに乗ったゴンドラの中だ。8分間なのだが
乗った途端どっと汗
が吹き出して両腕は水に浸けたようになり、手首のところから汗が流れ落ちたのである。
ウイークデイでもこんなに沢山の人が訪れるのでは、貴重な高山植物にも影響が出てくるのは仕方の
ないことなのだろうか。
('05年9月9日)
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