福井の小さな山歩記
番外編(2)石川県・富士写ケ岳(’00・08・18)
朝出遅れて登り始めたのが9時45分になってしまった。国道364号線を丸岡町から大内峠の
トンネルを抜けると登山口がある。いわゆる大内コースの登り口だ。大内越は加賀と越前丸岡
の間を結ぶ重要な峠だったため番所が置かれていたという。現在もその名残が何処かに残って
いるのだろうか。
登山道はすぐに案外ときつい登りで、空は曇りがち、風は全くなく蒸し暑い。おかげで30分程
でものすごい発汗、たまらず休息水分を補給する。それからもなだらかな道はわづかで雨が降
ると水が流れる細く窪んで草に覆われた道が続くのである。1時間30分程で見晴らしの良いピ
ークに出る。目の前にこれから登らねばならない山頂への道筋が見える。
最後の登り、実際はもっと急な感じに見えたのだが
この最後の登りは今居たピークを見下ろせるし、気持ちのいい登りだ。少し風があれば最高な
のだが、道も最後まで草に覆われている感じだ。そして富士写ケ岳(942m)頂上へ、ちょうど
2時間で着いた。360度の展望といきたいのだが、木が成長していて難しい。おまけに今日は
ガスに覆われて全く何も見えないのである。誰も居ないので上半身裸で飲んだり食ったりしてい
たのだが、風が無いので涼しくもないし汗がベタベタとして引かないのである。
山頂(942m)
今日は汗が沢山出るので塩分の補給のため、冷蔵庫にあった「ぬれせんべい」を持ってきて途
中の休憩のときブルーベリーのジュースを飲みながらかじったのだが、しんなりしていて濃い醤
油の味がなかなかのものだった。はじめから湿った塩煎餅なのである。
反対側へ50mくらい下がったところに我谷コースと枯渕コースの分岐するところがあるのだが、
両コースとも大内コースとは違って広くて全然いい道なのである。1時間ほど頂上に居て下山し
たのだが、その頃青空が見え始め日射しも暑くなってきた。
下りは1時間半だったが、少しきつい登りは帰りが困る。1時間半でもだいぶ膝が疲れて歩くの
がイヤになってきた。今日は誰にも会わなかった。出会ったのは、沢山の蜘蛛の巣、バッタや蝉
トカゲや蛙、それに蛇などであった。