福井の小さな山歩記


湖北・大黒山

図書館で「近江百山」という本を見つけ、湖北のところに「大黒山」(891.5m)という二等三角点の山が
あることを知った。さらに「奧美濃とその周辺の山130山ーブナ林の山旅の記録ー」という本に詳しくルート
が出ていた。 福井からは栃ノ木峠を越えればすぐなので、一汗かいて、頂上でコンビニのおろし蕎麦でビ
ールを飲もうとやってきたのである。ブナの大きな樹もあるらしい。福井県ではないので福井の本には紹介
されていないが、椿坂峠からなら1時間で登れる手軽な山なのである。

このところ局地的に激しい雨が降る日が続いたが、今日は雨は降らないらしいので、久しぶりの山歩きと
なった。日野川は濁流という感じだし、栃ノ木峠へ向かう道は、今雨が止んだばかりの様だ。椿坂峠に車を
置いて歩き出したのは9時25分くらいになった。予定としては、2.5kmほど先の椿坂集落手前の谷から
登ろうと考えていたが、もし雨に降られたらと思って先に頂上へ登り、天気が良ければそちらに下ることに
した。



椿坂峠から50m程中河内よりに、送電線の巡視路入り口がある。登り始めるとすぐに大きなブナの樹が
ある。道は急で、雨水で削られてV字型の岩肌の現れた道だ。ブナの幼木などに覆われて陽射しはない。
50分位経ってもうそろそろかなと思ったら、急にブナ林が眼前に開け、そこを左に回り込むと三角点があり
大黒山の頂上だ。ザックを下ろすと、すぐにアブがまとわりつく。ここまで来る間にもストックを持たない左腕
の肘を攻められたのだ。今年は何処の山でもアブが多いような気がする。



上:大黒山の三角点    下:山頂の周囲の風景




尾根道は気持良い

そこから1.5kmほど先の859mのピークまで歩くことにする。ブナの林の気持の良い散策となる。分岐点
が二つあり、大きな送電線の鉄塔、ヘリポート、そしてまた分岐点。そこを右へ辿るとすぐに859mのピーク
なのだが、別に標しがあるわけではないので行き過ぎてしまった。ヘリポートまで戻って食事とした。例のご
とく、コンビニのおろし蕎麦でビールだ。11時半になっていた。


ヘリポート ここで食事をした

先程、空全体が雲に覆われ風が出たが、それも流れて陽が射して来たので鞍部から谷へ下ることにする。
2番目の分岐点を右に行ったら鉄塔で行き止まりだった。1番目の分岐点から降りて行くと、これがなかなか
急坂だ。沢へ降り渉ると今度は急登だ。 短い距離だが、ここで私の体力を使い果たす感じで、休み休みで
753mのピーク手前の鉄塔に着いたのが1時10分だった。


上:この分岐を右へ降りると谷へ     下:谷へ降りてこの沢を渉る この両側が急な道だ


ここの巡視路には、他で見られる樹脂製のイボイボの階段が全く見られない。ここにこそ必要なのだと思った
りしながら足を滑らせながら登ったり下ったり、1回だけ尻餅をついたのだ。

753mのピークから781.3mのピークまでは平坦で楽だった。そして緩やかな下りが始まる。この辺りは
太い杉が多い。この緩い下りの途中でショートカットして薮漕ぎで早く降りようかとも考えていたのだが、先程
の急な登りでやる気が失せてしまった。どんどんと道なりに下っていくと、またまた急な下りとなる。この最後
の急坂では途中から平行して別の道があるみたいで、茂みの上にピンクのリボンが見えたし、下り終わった
ら目の前に巡視路入り口の標しと赤いリボンがあって、すごく急な坂へ取り付くようになっていた。 今下って
来た道もそう悪い道ではなかったように思うのだが。


最後にこの沢を渉って上がると採石場に出る

そこの沢を渉り採石場の道に上がると、国道365号を走る車が見えた。国道を1時間歩いて椿坂峠に戻った
らちょうど4時になった。今日は疲れた。送電線の巡視路は、送電線を見守るためにあるのだから、歩き易い
処ばかりを選んで造る訳ではないのである。

('05年8月16日)



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この茸は食べられそうな気がする 割と大きいものだった