還暦つれづれ草


春なのに暗い話題

毎年4月は桜が華やかに街を彩り、新芽も芽吹いてすがすがしい季節である。とともに町内の一斉清掃日
(要するにドブ掃除)があったり、町民ゴルフ大会だ○○マラソン大会だといろいろ催しものも多い。

私個人のことで云うと、20日は我々夫婦の結婚記念日だし、25日は私の誕生日なのである。今年で64
歳だ。この歳になると「ああ、また近づいてしまったか」という感じになってくる。

先日、ちょっと立ち話をしたことのある76歳になる方の奥さんが亡くなられた。旦那と同い年だったそうだ。
もし私が76歳で死んでしまうとしたら、あと12年程しか生きられないことになる。12年などあっと云う間だ。
孫娘の成人した姿も見られないことになる。こう考えると人生ははかないものだなとつくづく思う。まあ重い
病気さえ患わなければ、もっと長生きしそうな気はするのだが...。
しかし、なんでもいいから長生きしさえすればいいかと云うと、そうとも言い切れないような気もする。ものに
はほどほどということがある。健康で長生き、これが重要だ。
奥さんに先立たれたあの76歳の旦那はこれからどう毎日を過ごしていくのだろう。奥さんの介護でお疲れ
の様子だったが。

また、あと15年生きられるからといって、その間好きなことをして気楽に過ごせるかと云うと、そんなことは
まず無いのだ。まあ、悠悠自適に余生を楽しんでおられる方も沢山居るかも知れないが私の場合は難しい。
悲しいことに息子達が歳をとったときのことを考えると、世の中更に難しくなっている様な気がする。親として
は少しでも財産を残しておいてやりたいとは思うのだが、なにせ自分のことで精一杯だからどうしようもない。

つい最近、ロト6とやらで4億円を当てた人が県内にいるそうだが、そういう類のものは初めから買わないの
だから当たることはないのだ。いままで宝くじは買ったが当たったことはなかったし、最近は買わなくなった。

まあ、ものは考え様で、こうして元気に山や峠道をほっつき歩けると云うことは幸せと言うべきことかも知れ
ない。それに子供達も元気にやっているし、可愛い孫達もすくすくと育っている。こうしてみると、なにか物凄く
平凡な生活をおくっているような気がしてくるのだが、これから育つ人達のために、平凡な生活さえおくれなく
なる様な世の中にはなって欲しくないものである。

('03年4月18日)


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