福井の小さな山歩記


白山から釈迦新道を下る

白山では、以前お池巡りはしたが、大汝峰には登っていないし、その先釈迦岳までの間は歩いていない。
歩けるうちに是非と思って、今回二人だと出費が嵩むが室堂に泊って周回することにした。年に一度位はよい
のではと思う。

10日(火)は雲が多そうだった。結局陽射しは一度もなく、夕方から室堂付近は土砂降りとなってしまった。
登山中もガスが濃くなると雨がまじり、途中から合羽を着けたが今日は調子よくは歩けなかった。観光新道は
なかなか歩幅を小さくしたゆっくり歩きが出来なかったのだ。それでも花々は綺麗だった。


<<観光新道沿いの花>>

早く室堂に着いても雨では散歩も出来ず、ずいぶんと退屈な時間を過ごすことになった。

翌11日、午前3時頃には一時星も見えたらしいが、ご来光は駄目だったらしく、それでもほとんどの人が4時頃
には起きだして出かけた様子だ。我々は5時半の朝食開始に並んで、7時には釈迦新道を下るべく、まずは大汝峰
に向かって歩きだした。


<<室堂近くでクロユリ>>

歩きだしてすぐ、まだ室堂の近くでクロユリが沢山咲いていた。お池巡りのコースを抜けると、人影は無くなり
初めて歩くコースとなった。大汝峰(2684m)は岩場の登りで、強い風がガスを吹きつける中を登る。山頂は広く
岩で囲まれた緊急時の避難小屋があった。

 
<<大汝山頂にて>>

反対側はなだらかな下りで、這い松の中の平坦な道が続いた。大汝峰の写真を撮ろうと、途中何度も振り返った
が、山頂部が鮮明に晴れることはなかった。しかし、周囲はだんだんと晴れてきて、初めて眺める景色が広がって
きた。


<<ごつごつと崩壊の激しい地獄尾根>>


<<雪渓の上、鞍部が七倉の辻 右の山は七倉山>>


<<御手水鉢>>

まず崩落の激しい地獄尾根の景観が目に入った。御手水鉢やそこから七倉の辻に続く山道、緑の台地の上に続く
岩間道も眺められた。七倉の辻は広々として雪渓もあり、四塚山がすぐ傍にある。当初寄る予定をしていたが、体力
や時間のことも考えて、休憩して釈迦新道に入った。


<<七倉の辻から四塚山を見る>>

釈迦新道は全体的にとても歩き易い道だと思いました。山腹の平坦な直線の道が終わると目の前が開け、下る
斜面は花畑です。前方には釈迦岳に登る山道が望めます。ここで単独の男性が追い抜いて行きました。今日この
コースで出会った方はこの方だけです。


<<湯の谷乗越へ下る途中の花畑>>


鞍部の湯の谷乗越へ下る手前まで綺麗な花を眺めながらの歩きとなります。乗越の手前に水場の標識がありま
した。そこで休憩です。

釈迦岳への登り道はゆっくり歩きには最適な道で、気持好く歩いて釈迦岳を巻いて前峰で休憩しました。釈迦岳
山頂(2053.2m)は以前カミさんと登っていますのでパスです。それに今日は白山も見えません。


<<釈迦岳前峰から釈迦岳を望む>>

釈迦岳前峰からは下るのみで、ずっと下の方にならないとブナ林にはならないので、ジリジリと強い陽射しに焼か
れる感じとなりました。水場まで長く感じました。道が木陰に覆われる様になるとやっと水場に到着します。 ここで
大休止、ラーメンを作ったりコーヒーを沸かしたりとゆっくりしました。今日最後の休憩です。

そこからはまた1時間半ばかり我慢の歩きが残っていましたが、無事閑散とした市ノ瀬の駐車場へ到着しました。
白山の案内パンフには、室堂から釈迦新道経由市ノ瀬は、14.9km、休憩抜きで標準時間が6時間50分とあり
ますが、我々はそれより2割くらいは多く時間を掛けて歩いたことになりました。

今日は花のある静かな山歩きを楽しめたので、とても満足した一日だったと思います。

(’10年 8月 10〜11日)
2万5千分の1地図「白山」「加賀市ノ瀬」「新岩間温泉」

* * * * * * 

<<<余計なお話です。私のぶつくさです。読まないほうがいいかも知れません>>>

観光新道を登る人は少なく、我々の乗ったバスでは数人だ。8時過ぎのバスだったので、禅定道と合流する
処までの急坂で大勢の下山者とすれ違った。シニアのツアーらしく、年配の女性が多い。

驚いたのはお婆さんと呼ぶ様な人が何人も見受けられたことだ。「梅干し婆さん」と呼ぶに相応しい。家族連
 れかも知れなかったが、しんがりのおじさんが、超高齢者ですいませんと言っていた。下山で渋滞していたのだ。
それにしても元気なお年寄りが多いのには感嘆してしまう。

「登りの方がいらっしゃいます」と先頭のおばさんが叫ぶ。、皆さん停まって待たれるのも考えものだ。これが何回
もあると、こちらは気分的に疲れてしまう。 登り優先ですからと云う人がいたりして、こちらも停まって休みたい時も
あるんですよね。

観光新道は花が多いので下りに使うのでしょうか。しかし、これも考えものです。急坂の上に崩壊箇所もあるし
急坂の途中で汗を拭きふき立ち止まって、すごい急坂ですねえと話しかけてくる人がいたりして渋滞なのです。

こんな処でどうして尻持ちをつくのか、それも二人続けてだ。と思って見たら、学校で中履きに使う様な運動靴
だった。履き慣れてすり減っていたのだろうか。

ずっとガスの中で時折雨がぱらつき、最終的には合羽を着て歩いた。ガスの中でも花は綺麗だ。ゆっくり歩いた
が凄い汗で、室堂に着いて部屋の割り当てが決まったところで全部着替えた。雨模様で散策も出来ず、椅子に
座って次々と到着する人達を見ていた。

子供連れも多い。同じバスに乗っていた小学1年位の女の子も到着した。子供を3人連れた家族も到着。大人は
7,700円、子供は一人6,100円だからたいそうな金額になる。それに子供たちの靴も決まっていた。よく山に登ら
れる家族なのだろう。先程の女の子は、暫くしてお父さんとトランプやオセロを始めた。

小学校高学年か中学生かは判らなかったが、男の子が頭痛を訴えてテーブルに突っ伏していた。付き添いは
じいさんの様で、医務室の若い人が何かと聞いていたがどうなったことか。翌朝、その子は朝食をモリモリと食べ
ていた。回復したらしい。その後でカミさんが言うには、じいさんと二人して一杯500円のコーヒーを売店で求めて
飲んでいたという。じいさんは孫の為ならコーヒー位は何でもないのだろう。しかし一杯500円とは高い。キリンの
一番搾りの缶ビールも500円だった。紙コップの生ビールは一杯800円だ。我が家のカミさんは今日はビールは
遠慮したのだった。

我々の部屋では上段は全く使用しなかったのだが、下の段に居た中年の夫婦がその上段に上がり、二人で悠々
と占拠して寝たのだ。空いているなら下の段の人も均等に上の段に割り当てれば、みんなゆったりと出来たのにと
思うのだが。

別の部屋では、上の段に割り当てられたおばさんが、係りの人に「電話で下の段をお願いして了解を貰っている」
と下の段にしてくれと詰め寄っていた。係りの人はアルバイトだから、その場ですぐに返事は出来ず、聞きに行った
のだ。どうして上段では駄目なのか?いろいろな人がいるものだ。

 トイレが汚い。係りの人が「水洗トイレになっています」と言われたが、そういう本人は使ったことがあるのだろうか。
全然何も出ない。すかすか云うだけだ。便器の横に足を載せると、ウンチの落ちるところの蓋がパカッと開く様になっ
ているのだが、それがウンチが盛り上がっていて蓋が閉まらないところがあった。これでは盛り上がるばかりで使え
ない。

(完)
HOMEPAGEへ            福井の小さな山歩記の目次へ