還暦つれづれ草


法事に行く

千葉へ兄の13回忌の法事に行って来た。我が家にとってはこれは大きなイベントだ。息子の結婚式以来
ではないかというワイシャツにネクタイを締めることになった。何年ぶりか忘れてしまう。 それでクリーニング
から戻ったままブラ下げてあるワイシャツも見たら、襟周りが薄黄色に変色しているではないか。 それで
もともと少し色の付いているワイシャツにした。 これだと目立たない。 ネクタイは選ぶほど持ってないので
すぐに決まるが、ネクタイピンを何処に仕舞ったか探しまわる。 この時期、来てゆく背広も限られるが、それ
が良く見ると、左肩下の見える処に点々と虫食いらしい小さな穴が開いているのだ。 でも仕方がないので
これを着てゆくことにする。

福井から千葉は遠い。法事は朝10時からなので前日は鎌倉の息子の処に泊めて貰う。孫がカブト虫の
幼虫をおじいちゃんに見せるのだと前の日から落ち着かないのだという。夜は福井から持っていった小鯛の
笹漬や蛍イカの溜り漬、カマボコなどで息子と飲んだ。 孫には希望のあったショートケーキを持っていった。
そして翌朝出掛けにカブト虫の幼虫を見ることが出来たのである。

法事は若い坊さんの短いお経で助かった。お経は短いに限る。法事というのは、あの世に逝った人には
 判らないのだが、こういう時でもないと親類縁者が顔を会わすことも無いので、意義のあることかも知れない。
それにだんだんと年を重ねてくると、いつあの世へ行くかもしれないので、会えるときに会っておかねばなら
ないということもある。
お経が終わってお墓参りもして、洒落た料亭でみなさんで会食をした。私は車ではないので、ビールを戴
いた。しばし談笑ののち散会となる。姫路から夜行バスで来た方もいて、またそれぞれ帰らなければならな
い。私も御いとまをする時間がやって来た。

東京駅でゆっくりし過ぎて一本列車を遅らせたのが運の尽きというのか、岐阜羽島へ停まった途端に激し
い雷雨に見舞われた。それで雨量計が規定値を超えたとかで2時間半も足止めを食ってしまうことになる。
21時に福井へ戻るはずが零時を回ってしまった。特急料金は払い戻して貰ったがだいぶ疲れてしまった。

米原駅で最終の特急しらさぎを皆さん綺麗に一列に並んで待っていた。そこへ列車が入って来て乗り始めた
とき、携帯でぺらぺらしゃべりながら二人連れの若い女がやってきて横から乗ろうとしたのだ。こんなに綺麗
に並んでいる処へ平気で割り込むなんて、日本の若い女性ではあまり見ない。「列に並べっ!」と怒鳴られ
て一度離れたが、また割り込もうとしてまた怒鳴られて列の最後についた。その間も携帯電話でしゃべり続
けていた。結局並んでいた人はみんな座れた。この女は座っても周囲に遠慮することなく携帯電話でしゃべ
りまくっていた。この若い二人の女は敦賀で降りたが、敦賀のバーみたいな処で働いているのか。フィリピン
かそんな言葉だったが、こんなマナー以前の人間には日本に居てもらいたくないものだ。

(’07年 9月10日)

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