還暦つれづれ草


孫来る・海水浴

三日目ともなると今日はどうしようかと、これからの予定との関連でいろいろと考える。そして今日はカミさん
の実家へ顔を出して、91歳のおばあちゃんに孫の顔を見せて、海に浸かってこようということになった。おばあ
ちゃんは何日か前にころんだとかで、しばらくは静かにしている様子だった。

この辺りの海は遠浅ではないので、泳げないリョウ君は最初のうちは波打ち際をうろうろしてなかなか水の
中へ入ろうとしない。一方お姉ちゃんは、これも夏休みに埼玉の方から親の実家に来たという女の子と話を交
わして、一緒にもぐって貝を探したりしている。



その貝は、シタダミとか云う小さい巻貝なのだが、うちのカミさんはそれを茹でて針で身を取り出して食べる
のが好きなのだ。それでカミさんも半ば本気になって採りだしたみたいだ。リョウ君は相変わらず波打ち際を
うろうろしている。浮き輪をお姉ちゃんに持って行かれてはどうしようもないのだ。


カミさんの胃袋に収まったシタダミ

大きな岩の上から子供達や若者までが飛び込みを繰り返していたが、どうしても飛び込めない男の子が一人
いた。周りでは飛び込みを促す掛け声などが掛けられている様子だ。でも、飛び込むと思うとしゃがんでしまっ
たりと30分ほどその様な状態が続いたのだが、ついに意を決して飛び込んだのだった。 やった!やった!と
私も嬉しくなった。

それを見て、我々は海辺をあとにした。お盆前のウイークディの海水浴場は閑散としていたが、カミさんの育っ
た海だし、夏休みにはいつも子供達を預かってもらい遊ばせて貰った海なのだ。海辺からカミさんの実家までの
細い路地の風景や路地に漂う便所の匂いも懐かしい。ただ変わった事といえば、カミさんの実家の真ん前、目と
鼻の先に老人ホームが出来たことだった。

シタダミは夜の食卓に載ったのだが、ほとんどはカミさんの胃袋に収まったのだった。

(’07年 8月 7日)

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