還暦つれづれ草


ホタル見物

ちょっと県外へ出掛けていてホームページへのアップが遅くなったが、13日(水)に この歳になって初めて
ホタルを見にカミさんと出掛けた。68歳になったのに今迄にホタルを見たのは一匹か二匹がとまっているところ
だけなのだ。それでかねがね、一度は沢山飛び回っているところを見てみたいと思っていたのである。
新聞やテレビなどでホタルの見所を報じていたが、そう云う所は見物人が沢山集まりそうなので、あまり出掛
ける気にはならない。ところが福井市の隣接地の吉野地区にホタルの遊歩道というのがあって、ホタルを沢山
見られると聞いた。駐車場もありそうなので出掛けることになった。その方が強調されたのは、見頃の時間帯は
夜8時半から9時頃なのだという。

自動販売機が沢山置かれている駐車場の隅に車を停めさせてもらうと、なんと目の前にホタルが一匹光って
いる。何か期待が持てそうな気がした。ホタルの遊歩道の看板がある暗い小川沿いの道に入ると、一匹二匹と
光を放って飛んでいるホタルが目に入る。先に進むとその数はだんだん多くなって、土手の草むらの中にも群が
って光を放っていたりする。小川に架かる橋の上には、カメラを構えている人が数人いて、そこから眺めるとなる
ほどと思わされた。ホタルの舞が密度濃く眺められるのだ。

しかし、一番幻想的に感じたのは、黒々とした杉林をバックに飛び回るホタルだった。クリスマスツリーの様
にも見える。9時になって、先の方にあるグランドの照明が消えて、一帯はさらに暗さを増し、カメラを構える方達
もチャンス到来という雰囲気だ。
子供連れの人の中には、ホタルを捕まえてカゴに入れている姿も見られた。あまり子供の手本にはならない
のだが、腕章を付けた巡視員の人に注意されていた。捕虫網を持って来るような人達は、素直に聞き入れるの
だろうか。

ホタルは休憩時間というものがあるらしい。カメラを構えていたおばさんがそう話していた。暗くなってホタルの
乱舞も佳境を迎えるのかと思ったが、なかなかそういう訳にもいかない。1時間近くも歩いたので 我々も引き上
げることにした。ホタルの光は、ずいぶんと明るくそして涼しい色だと思った。福井市内の我が家からごく近い所
にもホタルが見られると聞いたので、また見に行きたいものだ。しかし、ホタルの舞う季節もそろそろ終わりにな
るのかも知れない。光を放って華々しく飛び回るのは、一生の内のほんのひとときなのだろう。

(’07年 6月18日)

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