福井の小さな山歩記


思い違いでカナ山に達せず

今迄ずいぶんとあちこちの山を歩いているが、今日程ひどい思い違いをしたことは無かったと思う。何しろ違う山を
目指して藪漕ぎをしてキズだらけになって降りて来たのだ。しかも、家へ帰って地図を見て勘違いに気が付いたので
ある。おまけに、カナ山の手前には夜叉ケ妹池という池があるのだが、赤いビニールテープに誘導されて池だ池だと
喜んだりしたのである。 ちっちゃな水溜りで期待外れではあったのだが、今時の季節はこんなものなのかと思った。
何しろ新しい赤いビニールテープがそこだけ幾つも付けられていたので、夜叉ケ妹池だと信じて疑わなかったのだ。

鳥越林道へ入るのは初めてだ。カナ山へはこのページ下の地図の下の方に登山道が記されている。それを辿って
稜線へ出て北に向かおうと考えていたのだが、どうもその入り口が判らない。植林道が下から上へ鳥越林道を横断し
ているのではと思っていたのだ。で、鳥越林道へ入って3番目の名前の無い橋へ来て見たら、下から立派な道が上が
って来ているではないか。その続きは反対側にあるかと見ると一応踏み跡が登っているし赤いリボンが下がっている。


今回の登り口 鳥越林道へ入って3番目の橋の向こう側右手に踏み跡 左下からちゃんとした道が上がって来ている

家を出てから3時間も経っているし、ここから登ることにした。すぐに踏み跡は怪しくなり、すごい急斜面をよじ登る
ことになった。それにイバラの草が多くて悲惨な状態だ。そこを登り切っても稜線に出るまでは急登が多く、道らしい
処は少ない。立ち止まりながらのゆっくり歩きで、2時間15分も掛かって稜線に出た。稜線歩きはルンルンかと思い
きや、これがなかなかなのだ。ここで無意識に当然の如く北へ向かってしまったのである。南へ向かえば20分程で
カナ山の頂上を踏めたはずだったのだ。


1057mのピーク 引き返した処で写す

そして1時間近く北へ向かい、水溜りを夜叉ケ妹池と思い、カナ山だと思っていた1057mのピークの手前で12時
を回ってしまい、この調子では難しいと引き返したのだ。帰りはどうも簡単には来た道を帰れそうにないと思ったことも
諦めた要因だが、これは正解だった。それにしても稜線から降りる処を通り過ぎて戻るときに地図を見ていたら、ひょ
 っとしたらカナ山のすぐ傍にいることに気が付いたかも知れない。惜しいことをした。GPSの軌跡しか見ていないのだ。

なかなか登ってきたルート上を下ることが難しい。全然踏み跡の無い急斜面を降りたら、登り口へ真っ直ぐだった。
両腕がキズだらけ、かつて無いひどさだ。それに虫さされもひどく、夜には熱をもって腫れてきたのだった。 もう少し
登り易いルートがあれば、とげとげの草が無いときにもう一度登ってみたい気はする。

 (’07年 6月 12日)
2万5千分の1地図 「虎御前山」「近江川合」
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---- 参考までにGPSでの軌跡です ----
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)
を使用したものである。(承認番号 平17総使、第657号) 」
下図は2万5千分の1の縮尺ではありません。
001地点林道から林の中へ 005地点池というか水溜りがあった処 右上隅の1057mをカナ山と思って目指して
いた。 004地点稜線へ出た処 その南側の軌跡は戻るときに004地点を通り過ぎてしまったもの その下の三角点
がカナ山985.6m 夜叉ケ妹池はさらに700mほど南。