福井の小さな山歩記


三等三角点小栗


まずは中小屋集落の河童にご挨拶してから

 今日はベテランの山歩きご夫婦に誘われて、最初は木地山の中小屋から、池河内越の尾根道を登って稜線
に出て、駒ヶ岳から池原山をまわって降りるか、その手前の尾根を降りようとの計画だった。 ところが稜線に
出て、三等三角点・点名小栗まで行こうということになってしまったのだ。何でもトトロの森みたいに素敵な稜線
を歩くことが出来ると云うことらしい。
 しかし、そこまで行くと、帰りは同じ道を戻るのは面白くないだろうから、木地山峠から谷筋を中小屋まで下る
ことになる。谷筋はまだ雪があって危ない様な気がして、私としては気がかりだった。

稜線へ出た処から稜線を西へ少し下がった処に東方向のみを指した道標があり、その杭に池河内越とあった。
ここが峠なのか。若狭側にはまだべったりと雪が残っていた。 県境の尾根にも、まだ雪が薄く残っていて あまり
歩き易いものではなくて、従って良いブナもあるが、完全に雪が融けてからか、または完全に雪に覆われている時
が歩くには良いと思われる。新緑や紅葉のときは素敵だろう。
歩くのに一生懸命で写真を撮るのも忘れてしまった。やがて山頂部分が完全に雪に覆われた825mのピーク
 に着いて休憩。その広いピークの西よりに木地山峠への標識を見つけ、帰りはここから尾根に入ることが判った。


ずーっとこういう風景だ

825mのピークからはだいぶ下る。 間もなく雪が消えて、どこでも歩ける下草のない広い尾根歩きとなる。
所々で上根来の方へ下りられそうな尾根が上がってきていて、帰りはここを下りられたらいいなと思ってしまう。
車へ戻るにはやはり歩いて元に戻るしかない。 今日は神宮寺の、若狭に春を告げる「お水送り」の日なのだ。
下根来の鵜の瀬で神事が行われる。下根来の八幡神社ではすでに幕開けの神事が始まっていることだろう。


三等三角点「小栗」 722.9m  食事をする処が決まったらしい

825mのピークから下り切ると、「小栗」までは緩い登りが続いて、12時をまわる頃に山頂に着いた。とても
広い処で、風も無くほんとうに静かだ。久しぶりのビールは美味しかった。暖かい肉入りラーメンをいただいた。


825mのピークの端、ここから木地山峠への急な尾根に入る

帰りの825mのピークからの下りは急だった。やがて緩やかになり見覚えのある木地山峠に出る。気がかり
だった峠からの中小屋への下りは、やはりなかなかのものだった。沢沿いの峠道はその形を残すことは難しい。
崩壊を繰り返し、常に新しい道を付けなければならなかったのではないか。 始めは可愛らしい沢を横切ったが
下のほうに来ると、水量が多かったら渉るのは難しくなる。丸木橋も一本では滑って渉る気はしない。なんやかや
で、この谷を下る1時間は長く感じた。林道に出た時はやったやったと握手を交わしたのである。雪が少なくて幸
いだった。雪の多い時はここは通ることは難しいだろう。


だいぶ下ってきて、やっと写真を写す余裕が

 車へ戻って靴を脱いだりしていたら、お爺さんと呼ぶには少し早いかもしれない様な人がやってきて会話を交わ
した。沢に丸木橋があるのはいいほうで、昔はそれもなくて沢を渉ったそうである。「小栗」なんて云う山について
は知らなかった。 ゆっくりと365温泉に入って帰る。今日は充実した山行だった。お疲れさまでした。

(’07年 2月26日)
2万5千分の1地図 「遠敷」「古屋」 標高 722.9m
登り約3時間 下り約2時間半
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---- 参考までにGPSでの軌跡です ----
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)
及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。    (承認番号 平17総使、第657号) 」

この地図上の経緯度線は日本測地系にもとづいています。下図はほぼ2万5千分の1の縮尺です。

001地点は車を置いた処 002地点は三等三角点小栗 木地山峠から下りの軌跡は谷間や樹林のため
正確なものとは思われません。



木地山峠からの下り始め、峠道らしいと思ったがここだけだった。

最初の沢を横切る処はこんなに簡単だった