福井の小さな山歩記
なめ茸探して横山岳 (滋賀県)
今年はナメ茸(なめこ)が少ないと云う話を聞いた。気候と関係があるのだろうが、昨年横山岳に沢山あったので
今年はどうなっているか偵察してきて欲しいと言われた。 まあ本気で言った訳でもないらしかったが、私もたまには
びっしりと育ったなめ茸を見てみたかったし、カミさんはそういう話にはじっとしていられないたちなので、久しぶりの
晴天で即決行となった。味噌とだしの素は忘れない。
東尾根の急登で墓谷山方面を見る
白谷登山口に車を置いて、8時40分東尾根登山口に向けて歩き出す。素敵な青空と紅葉、駐車場には我々の
車だけだった。 私は昨年一人で東尾根から登って墓谷山を廻っているので、今日はなめ茸探しに徹する積もりで
登りだしたが、最初の急登ではなかなかキョロキョロしていられない。しかし、どうも茸の生えている雰囲気では無
いみたいだ。
やがてブナの林になって、やっと斜面を少し下りたところになめ茸が付いている樹を見つける。でも、なめ茸は上
の方にあって手が届きそうにない。カミさんはそれっとばかりに下りて行く。樹の下の方にもあるかも知れないと
いう訳だ。まあ、今日最初の収穫は大きなビニール袋の底にほんの一掴みが収容された。登山道から手の届く
様な樹には採集した跡はたまにあったが、ほとんど無しだった。
そこから少しブナ林を進むと、さっきよりも急斜面の処に、見事になめ茸を付けた割と大きな樹を見つけた。足を
滑らしながら近づいてみると、やはり全然手の届かない高い処に付いているのだ。それに足場が悪い。滑り易い
曲がった樹の根元に登らねばならない。しかし、今までの雰囲気では、これを逃したらもう見つけられないかもと
思われた。
肉眼ではとても立派に見えました 右の下部までしか届かなかった
今日はなめ茸を採りに来たのだとカミさんとうなずきあって、腰を落ち着けて採ることになる。どうやらストック二本
をつなげれば下の方の物は採れそうなのだ。そこで早速ストックの先のゴムを外し、先の部分を合わせて例の赤
いビニールテープで二本を固定する。片手で一番端を持って持ち上げるとなかなか重く感じる。
カミさんが枯れ葉の積もった斜面で待ち受け、私は樹に抱きつく様にして下からなめ茸をつついて落とした。なか
なか緊張を強いられるきびしい作業だった。終わって登り返すのも疲れる。案の定それ以後は、この様な立派な
ものは見つけられなかった。昨年はそこら中なめ茸だらけだったと云うのに、今年はもう遅いのかあんまり育たな
かったのだろう。
ナメコの味噌汁を作っているところ
東峰までがひどく長く感じられて、疲れて東峰で休憩した。もう12時を廻る頃だったが、天気が良いのに誰も登
って来ないようだ。ここは展望がいい。 横山岳は道も整備されていて良い山だ。茸があればもっといい。西峰で
なめ茸の味噌汁をつくって昼飯とした。美味しい。私が薫製したチーズで飲むビールもまた美味しい。
帰りは同じ道を下れば、向きが変わってまた茸が見つかるかもと考えていたのだが、カミさんは初めてなので
三高尾根からコエチ谷を下ることにした。 ここは急坂でだいぶ脚にきたが、三高尾根の緩やかなところを歩いて
いたらカミさんが道端でなめ茸を見つけた。 二掴みばかりあって、これで小春おばさんへのお土産も確保出来
たようだ。車の処へ戻ったのは4時を過ぎていた。これで帰りの高速代も半額で済みそうだ。
三高尾根の道端で見つけたもの
(’06年11月21日)
2万5千分の1地図 「美濃川上」「近江川合」 標高(西峰) 1131.7m 歩いた距離約
7.3km
累積標高差約1,000m 今日はなめ茸探しでうろついたので7時間半も山にいました。
HOMEPAGEへ 福井の小さな山歩記の目次へ
葉を落としたブナ林もいいものです
東峰から琵琶湖を望