福井の小さな山歩記


カミさんとゆく 白山

最近、顔見知りの方々は皆さん白山へ登られている。私は2002年の10月にカミさんと越前禅定道を歩
いて殿ガ池ヒュッテに泊まって頂上を目指して以来ご無沙汰している。それまでも4〜5回位は登っていると
思うのだが何故か御池巡りをした記憶がないのだ。
それで今回は日帰りで御池巡りをすることになった。「お花松原」という処へも一度は行ってみたいと思って
いるのだが、日帰りではちょっと難しいみたいなので今回は諦めることに、時期的には今頃がいいらしい。

 別当出合の駐車場を朝6時半に出発。8月も20日過ぎの火曜日ともなると登山者も少ないのか車も少ない。
数人が登山道へ消えた後は、小学低学年らしい男の子と頼もしそうなお母さんの二人だけが出発の準備を
しているだけだった。
我々はゆっくりペースなので、途中何人かの人が追い越して行ったが、まあまあ順調に南竜分岐に到着。
途中、下山してきた小中学生の団体とすれ違ったとき、小学高学年と思われる男の子が私に向かって「何処
まで行かれるのですが、頑張って下さい」と声を掛けて来た。私が余程苦しそうな顔をしていたのだろうか。


弥陀ヶ原の木道の両側には、ずっと紫の可憐な花が沢山咲いていた。

南竜分岐から砂防新道を進むと、途端にいろいろな花が咲いていて、更に歩みは遅くなる。そして黒ボコ岩
からの木道の両側には、ピンクというか紫色というのか可憐な花が咲き乱れていて、多分ハクサンフウロと
云うのだろう。いっとき疲れを忘れさせてくれる。

五葉坂の手前で雨が降り出し合羽を着ける。雨はすぐに止んで、11時頃に室堂着。4時間半だからまあまあ
のタイムだ。早速外のテーブルで荷物を広げ、うどんを作りだしたが、また雨。すぐに止むと思ったのが間違い
で本降りとなってビショ濡れになり、建物に避難する始末となった。雨の中でうどんは出来上がって建物の中
でビールを飲みながら無事食べたのだが、その後で私は暫く寒さで震えていたのだ。


山頂にて

雨が止むとすぐに陽が射してきて、濡れたものを干したりして、たっぷり1時間をすごしてから頂上へ向かう。
歩き出すとすぐに寒いのは解消して快調に頂上へ。 眺望は期待してなかったが、池へ下る頃には青空が広
がってきて服も乾いて来た。
池へ降りる途中、オコジョ が我々の廻りを飛び回ってついてくるのだ。すばしっこくて写真を撮るのは難しい。
あまりゆっくり出来ないのが残念だったが、ちょうど青空の下で池巡りが出来て、今日の目的は達せられた。

 
オコジョ 初めて見ました                            油ケ池  何故か池の写真はこれだけ

3時15分、室堂を後にして観光新道を下る。黒ボコ岩からすぐにお花畑に突入といった感じになる。最初は
ピンク色が多かったが、次ぎは黄色が多勢を占めニッコウキスゲも多いし白い色が多勢を占める処もあった。
しかし 馬のたてがみを過ぎると花も無くなり、殿ガ池ヒュッテを過ぎる頃は歩くのに必死になってくる。やがて
大きな岩をくぐるところへ来て、別当出合までまだ4kmもあると判ってガックリしてしまった。 この調子では7時
近くになりそうなのだ。


晴れていれば写真も綺麗だと思うのですが。ガスが掛かっていても肉眼ではとても綺麗に見えました。

別当出合へ急な坂を下るときは、汗が額から鼻筋を伝ってポタポタとしたたり落ちる。右膝を庇いながら必死に
降りた。やがて長い水平な道を歩く頃には夕闇が迫ってきた。 作業道の下をくぐると聞いていたのだが二人と
も全くそれに気が付かなかったのだ。ガスと樹林の中で急に暗くなって、足下が判りづらくなってキャップライトを
使用することになる。それから7・8分でやっとのこと別当出合に無事到着した。3時間半も掛かって6時50分に
もなっていた。

立山の松尾峠、続いて焼岳、そして今回と、我々はいつも最終下山者となっているみたいだ。歩くのが遅いのと
休みが多いのとで、今日も12時間20分も滞在したことになった。とても疲れはしたが、新しい経験をした様な気
分で、これならまだまだ歩けるなと思ったりもしたのである。

(’06年8月22日)
2万5千分の1地図 「白山」「加賀市ノ瀬」 
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