福井の小さな山歩記


湖北・安蔵山 途中まで

安蔵山(900.1m)は、滋賀県の県道中河内木之本線(285号線)の田戸集落跡から、奧川並川沿いに
少し入った処から取り付く山だ。 2万5千分の1地図「中河内」で、田戸集落跡から6cmばかり上に頂上が
ある。
 今回、467mまでの急登を登り切ってこれから歩きやすい尾根道というときになって、脚が前に出なくなった。
いつものマイペースが保てなくてはいつ頂上に着くか判らない。 それで11時だったが引き返すことにした。

今日は、栃ノ木峠を越えて中河内から県道285号線へ入ろうと思ったら、栃ノ木峠は途中の損壊で通行止め
とあるので、今庄ICから高速に載り木之本ICへ。県道285号線を走ったのはよかったが、菅並からそのまま
良い道を走って行き止まりまで行ってしまった。 菅並まで戻って方向が判ったのはいいのだが、今度は菅並
中河内間が全面通行止めなのである。



何処が崩壊しているのか判らないので、折角だから行ける処まで行ってみようと歩くことにした。少し歩くと橋
を渡り立派な広い道路にぶち当たる。右にはトンネルがあるのだ。北海道トンネル?これは家に帰ってから気
が付いたことだが、菅並に高時川を渡る立派な新しい橋が出来ていて、すぐトンネルがある。それがここに通
 じているらしい。あの新しい橋からなら、ゲートをずらして通り抜けが出来るはずなのである。この立派な道は、
ダムの堰堤が構築される予定地まで造られているのだ。

予定地からは狭い元の道になるが、道端には延々とシャガが咲き乱れている。あまり注目されない花だが、
 とても繊細な模様をもった花びらだ。 小原集落跡を経て田戸集落跡に着く。 ここまで道は何ともなかった。
登山口は高時川を渡り 奧川並川沿いの林道をほんの少し行くと、古びたリボンと急斜面に取り付く踏み跡が
ある。 さらに進むと壊れかけた鉄の梯子が上に伸びている。 さらに進むと7・8段の手摺りのしっかりとした
階段が設置されているのだ。

 
    今回登ったところ                         その先の帰りに降りたところ ここから登るべき

私は真ん中の壊れかけた梯子が上の方まで伸びているので、ここから登ることにした。しかし、なかなか大変
な登りだ。途中展望台みたいな処で休んだが、そこから上も急斜面を灌木や岩に掴まりながらで、まともに歩
く処などは全くなく、ここを降りるわけにはいかないと思った。


467mのピークには大きな倒木が横たわっている

やっとのことで疲れ切って467mのピークに出たのは、登り始めて1時間半も経っていた。ここからは歩き易い
尾根道が始まっていたのだが 緩い登りでもすぐにしんどくなってしまい、尾根道の4分の1も行かない処で引き
返すことにした。今日は気温が高いのだろうか。暑さには弱い体だ。そこで冷たいビールを飲んで休憩をとった。


上:引き返したところから先の方を見る      下:467mピークの方位盤


467mのピークに戻り、何処から降りようかとウロついてみて、地面に方位盤があるのを見つけた。その先へ
目をやると、登ってきたところよりほんの少し左に、道らしきものが急だが真っ直ぐに下っている。降り始めると
ロープが張ってあり、階段の名残がずっと続いていたのである。そして、7・8段の手摺りのしっかりした階段を
を使って林道へ降り立つことが出来たのだ。登り降りもこの階段からに限ると思った。

車へ戻る長い舗装道路ををふらふらと歩いていると、やたら両脚がこむら返りを起こした。単車で筍を採りに来た
という素朴で人の良いお爺さんに会った。ダムが出来ると小原から北の針川までの集落と道が水に沈み 安蔵山
の現在の登り口も水面下に消えてしまうのである。まだだいぶ先のことではあるが。


 「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)
及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。  (承認番号 平17総使、第657号) 」


カシミール3Dにより作成しました。上図の経緯度線は日本測地系で表示されています。
2万5千分の1地図「中河内」  002地点リボンと踏み跡、003地点壊れかけた梯子、今回登ったところ
止めた方がいい。004地点7・8段の手摺りのある階段、今回降りたところ、ここはロープがあり安全な道。
登った所と軌跡が離れすぎているように思うが多少の誤差はある。 005の数字のところは軌跡が録れて
いない。シグナルが弱いと表示されていた。007は引き返し地点。

(’06年5月22日)
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